標識の充実
いつぞやの記事で標識類が重要だと書きましたが、あれから色々充実させています。まずはキロポストを全面的に作り直しました。距離標には甲・乙・丙の3種類がありまして、甲はキロ数の書かれた、先の尖った大きなもの。乙はそれよりひと回り小振りな500m単位のもの、そして丙は100m単位で設置される小型のものです。これまでもそれぞれ設置していましたが、今回は形状・寸法の見直しと、使い回していた乙・丙の完全な作り分けを行いました。乙・丙には下部に小さくキロ数が書かれているのですが(例えば150.3kmポストなら3と書かれた丙号の下部に小さく150と書かれています)、従来のものはキロ数の部分に適当な数字を入れた後、判読できないようボカシを入れて汎用品としていました。ところがフルHDで運転していると、ふとした拍子にこのボケた文字が目に飛び込んで来ては、自らの妥協を突き付けられるようで何とも不快だったのです。 そんなわけで全ての数字を入れて飯田~辰野間に必要な約680本を製作し、既にレールが引けている七久保~駒ヶ根間への配置も完了しました。 次に特発(特殊信号発光機)を作り直したので、それに合わせて踏切名などを表示している看板を新規に作りました。飯田~辰野間にある踏切用看板が約 130点、他に落石や中継などいくつかを合わせて約140点を一気に作りました。キロポストもそうですが、こういう単純作業は勢いでやってしまわないと嫌になりますから・・・、私はけっこう飽き性なのです。ちなみに特発も架線柱の正面に付くもの、左や右に張り出したもの、独自のポールを持つものなどパターンがあり、そして配置位置が自線の左のもの、右のものをそれぞれ別に作っています。配置位置の違いは共用してもいいかな?と思っていたんですが、反対側に置くとヒサシのテクスチャがおかしな感じに見えましたので、作り分けることにしました。 話題に逆行するようですが、従来から立てていた制限標のほとんどを撤去しました。これは現地取材で分かったことですが、飯田線では分岐器制限以外の制限標はほとんど立っておらず、運転士は線形を全て暗記して運転しているようです。 「リアルな運転シミュレータ」を前提としたBVEですから、やはり実際に無いものは配置したくありません。Limit構文で曲線半径に対する制限速度を全て入力していますが、イキナリ「速度超過警告」を表示されるのもチョット理不尽な話。そんなわけで曲線標を立てることにしました。緩和曲線の入り口に逓減標、そして円曲線の始まりに曲線標、円曲線の終わりに裏向きの曲線標、そして緩和曲線の出口にまた逓減標、この4本で1セットです。 実際は運転士が目視することはあまり無いのか、草や障害物に隠れていることも多々ありますし、また正確な緩和曲線長や円曲線長などは資料や取材からも読み取ることができませんでしたので、こればかりは実際の配置通りとは行かず、見やすさとイメージを重視して配置しています。なお、配布の際には曲線半径に対する制限速度のリストも添付する予定です(まだ全てが判明したわけではありませんので、現地調査や情報収集を繰り返さないといけません)。 「BVEはゲームじゃないやい!」ってことで最近はニコ動の“ゲーム”タグを意図して付けないようにしているのですが、とはいえ広義にはゲームである BVE。出来の良いシム系ゲームソフトは難易度の高さゆえに繰り返しプレイするほど面白味が出てくるわけですが、出来が悪ければそれも苦痛でしかありません。 自分で遊ぶにしろ、配布して多くの方に遊んでもらうにしろ、できるだけ長く繰り返してプレイできるものにしたいのが作者の心情というものですが、都会の路線と違って列車密度が低い飯田線では先行列車とのカラミや遅延回復、数々の対向列車などのお楽しみ要素はありません。やり込み要素と言えるのは複雑な線形くらいのものですから、製作者もプレイヤーもそのあたりに力を入れるべきなのかな・・・なんて思っています。乗客の負担にならない程度に減速して急カーブを抜け、警告表示を出すことなく再加速がバッチリ決まれば、ドライブシムで良いライン取りが出来たときのような爽快感が得られます。 あとは緊張感の緩い部分で間延びしないように表情豊かな沿線風景を楽しんでいただければ、それなりに長く遊んでもらえるんじゃないかな~なんて思っています。 長らく放置状態が続いていた伊那福岡~小町屋間ですが、ようやく風景の再現に着手しました。しかし建物も木々も、汎用品の種類がまだまだ足りないな~といったところで、ちょくちょく作り足しながら進めています。で、新しい汎用品が出来たら既存部分も改良して・・・なんてやってるのでナカナカ前に進みません。また七久保、田切の再リニューアルがひと段落したので、今度は飯島周辺に専用ストラクチャを増設するなどの作業も並行してやっています。 線路の方は駒ヶ根まで延伸しまして、標識類の設置までは完了しました。合間合間でホームや駅舎の製作に着手していますが、上りホームの木造上屋と伊那電時代の赤穂支社ビルは既に取り壊されてしまっているため資料が少なく、再現に時間がかかりそうです。また、電留線の配置と上りホームの形状を正確に再現しようと思うと、両開き分岐器・・・いわゆるYポイント(もしかしたら振り分けかも)が必要になるので、そこも少し面倒。 しかし、駒ヶ根は周辺では一番大きな街ですし、駒ヶ岳の玄関口として駅の規模もそれなり。七久保を出発して30分弱は運転できますので、ひとつの区切りとして程良いところかと思います。BVE5がリリースされたらこの区間から先行公開かな?