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運転台から運転室へ(前編)

  • 2015/07/02 17:30
  • カテゴリー:運転台

 6月の大阪運転オフ会も無事に終了してひと段落つきました。運転会のレポートは公式ブログに掲載されると思いますのでそちらに譲りますが、機材担当としては作り込みきれず不満の残るところが多々ありましたので、気の早い話ですが来年に向けて制作作業を再開しております。

 その運転台関係に焦点を当てた記事は3年以上前に書いたきりで、以後はTwitterやイベント報告に散在している状態ですので、これを機に2015年仕様をまとめてご紹介しておきます。詳細記事は長くなりますが、今現在運転台を作られている方、これから作ろうという方のヒントになる部分もあると思いますので、興味のある方はお読み下さい。

 

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 モデルは1983年から2012年までの30年間、飯田線を走り続けた119系電車。その運転台を可能な限り忠実に、また原寸大で再現しています。

 過去記事や動画で紹介していた状態と比較すると、窓上~天井の拡張、また左側には乗務員室扉を増設、設置スペースの都合でデフォルメ・短縮していた右側の壁もリアルサイズに修正しています。

 画面は車窓表示にフルHDの液晶TVを3台、それに加え情報表示用のサブモニタが1台、メーターユニットに埋め込んだモニタが2台となり、計6台の液晶モニタを使用しています。いずれは4K液晶を3台…といった夢も広がりますが費用面はもちろん、それ以前の問題として4K×3台の環境でを安定してBVEを描画できるPCが現時点で存在しないため、技術の進歩を待つしかありません。

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 壁や扉、天井部分の増設は新たな設置場所――内輪では「保線小屋」と呼んでいますが――、自宅裏庭に木造の小屋を確保できたため、規模・重量の制約が大きく緩和されたことが功を奏しています。

 これまで何度か本職の運転士に実車とどこが違うか?を聞かせてもらっていたのですが、「こんな感じなんだけど密室感が足りない」とのことですので、これで大きな不満は潰せたのではないかと思います。

 またソフト面ではPC・BVEとの連携において、車両データ制作をお願いしているRock_On氏による各種プラグイン、プログラム類のおかげで飛躍的に精密・高精度、また自由度の高い制御が実現していることにも触れつつ、以下に各部の詳細を記していきます。

 

■メカ的な改良部分

20150701135110.jpg 製作初期のブレーキ弁は接点と切替スイッチを使用したもの、その次が多数のカムを使用して段数を増やしたものへと改良してきましたが、BVE本体の仕様上どうしても段の取りこぼしが発生して精度が良くないため、アナログジョイスティック化することになりました。

 7台のゲームパッドからのボタン信号をキーに読み替えていた従来のシステムは、各USB機器の認識順序を絶対指定できないwindowsの作りそのものの問題もあって設置・設定が非常に煩雑でしたが、今回はUSBケーブル1本で接続して制御はBVEの入力プラグインによるため大変簡便になりました。

20150701135115.jpg ハンドルの回転角をギアで調整して可変抵抗を回し、ジョイスティックコントローラー基板へ送ります。使用した基板は英国LeoBodnar社製のBU0836というもので、アナログ8軸、ボタン32個+ハットスイッチが入力可能という極めて汎用性の高いコントローラーです。

 ドライバ不要でwindowsの汎用ゲームコントローラーとして認識するため非常に扱いやすい。はじめは市販のジョイスティックを分解して基板だけを流用するつもりでしたが、こちらのほうが精度も汎用性も圧倒的に高いため乗り換えました。

 BVEでの認識はRock_On氏製作の入力プラグインにて行いますが、今のところブレーキ弁のセルフラップ帯を0.5度刻みにした160段設定で安定動作しています。高精度な可変抵抗を使用していますが、それでも微弱なチャタリングが発生するため、チャタ分の不安定な動作を拾わないようにプラグイン側で調整・設定可能なスグレモノ。

 マスコンの力行・抑速ハンドル、レバーサハンドルも同様にアナログ軸で拾うように改良。全てがUSB1本で賄えるというのは夢のようです。プラグインは更に安定性と汎用性を高めるよう改良中のようですので、いずれこれが公の場に出ればハードルの高かった自作コントローラーも飛躍的に作りやすくなるでしょう。今後に期待です。

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 メーター表示用の液晶モニタは当初HD解像度(1366x768)の物を使用していましたが、視野角が極端に狭いのがクセモノでした。そもそもメーターの寸法に合致する15.6インチというサイズに選択肢が殆ど無く苦肉の選択だったわけですが、時代が進んでフルHD(1920x1080)解像度かつ広視野角のIPS液晶パネルが手に入るようになりましたので交換です。運転士の座高の変化はもちろん、撮影のために極端に上から、下から見ても白く飛んだり黒く潰れたりすることは無くなりました。LGのLP156WF4-SLB1を大陸製の怪しげなコントローラー基板M.NT68676で駆動させていますが、画質・安定性ともに良好です。

 メーター用モニタの描画はBVEを動かすメインPCではなく、別に用意したサブPCが行います。メインPCのBVEプラグインから各種情報をLANに投げ、サブPCに用意したパネル専用のプログラムを用いて描画する方式。これによりメインPCの負荷を下げBVEのフレームレートを維持しています。プラグインおよび描画プログラムはもちろんRock_On氏の作品。ありがたや~ありがたや。

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 現在BVE5.6では各種情報表示の自由度が上がり、各項目をマウスでドラッグすることで移動出来るようになりました。またsetting/Preferences.xmlをテキストエディタで編集することで各々のフォントサイズを変更することも可能となり、これらを応用して情報表示用サブモニタを設置しました。

 イベント等で初見の方が運転する場合は補助表示があったほうが良いのですが、かといって運転画面の中に本来無いものを持ち込むのはシミュレータとして抵抗があります。後付TIMSのような案もありましたが、やはり119系には無かったものですから、こうして基本視界の範囲外である左ドア外側に設置するのが妥協案となりました。

 またBVE本体の機能である停止位置目標のバーは表示を大きく見やすくした上で左モニタの左端に設定、これにより停車時の運転士は窓から外を覗き込みながらブレーキ操作を行いますので、観客として見ていてもリアリティを感じるようになりました。

 

後編は主に筐体の工作についてです。

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