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電柱でござる!

 架線柱の記事でも書いた記憶がありますが、日本の空というのは電線だらけで見苦しいものですね。しかし、見苦しかろうが汚かろうが、それもまた「日本らしさ」のひとつであるわけで、データ上でも再現してみたいなぁ・・・と、運転シミュレータの本筋から逸れたところばかりに力を注いで、正統派ユーザーの方から「無駄に処理が重くなる」と、お叱りを受けてしまいそうな今日この頃です。  電線はともかく電柱に関しては、過去の画像や動画にあるように、それらしく再現していましたが、これが何故か嘘クサイ。そもそも電柱や電線なんてものは、毎日のように目にしている割には「正確に描いてみろ」と言われると難しいもので、これを機会に“正しい電柱と電線”をお勉強しながら、新しいオブジェクトを作ることにしました。 ファイル 31-1.jpg  ポールのストラクチャ・テクスチャは影を除き従来のままですが、ビームや碍子の取り付け位置は、実際の法則に従って修正しました。  最上段に3本並んでいるのが6600Vの高圧配電線で、これは接近するだけでも危険な電圧ですので、例外なく最上段になります。  中段には200Vの低圧線が敷設されていますが、動力線と電灯線に分かれています。必ずしも・・・ではありませんが、上段に2本の低圧動力線、下段に3本の低圧電灯線が配置されており、動力線は工場のモーターに適した三相三線の交流ですが、3本のうち1本は電灯線と共用しているため2本だけです。電灯線は一般家庭で使用する単相三線で、3本のうちどの2本を使用するかで100V・200Vを使い分けられます(最近はエコのせいか減りましたが、ちょっと前のエアコンは200Vが多かったですね)。  余談ですが、都市計画で住居専用区域に指定されている場所や農村では、動力線を見かける機会は少ないかもしれません。もっとも、伊那谷の集落はどこも工場だらけですので、必須と考えて良いと思います。  そして、最下段の太い線は電話線。一本一本は細い電話線ですが、交換局までは各戸の線が集まって束になりますから、かなりの太さになっています。 ファイル 31-2.jpg  以上が最低限の組み合わせになりますが、シンプルな電線・電柱だけでは寂しいので、アクセントに柱上トランスを持つ電柱も作ってみました。  最近のトランスはポリバケツみたいなスマートな外観ですが、一昔前は物々しい冷却フィンが印象的で、風景画を描く時も良いアクセントになったものです。  電話線に付いている黒い箱は、各戸の電話線を分岐・集約するクロージャーというもの。これも街を眺めていると至る所にぶら下がっています。ちなみに光ケーブルのクロージャーはライトグレーなので、ご近所に光ケーブルが引かれているかの判断材料になりますね。  ポールとトランスは円筒状のオブジェクトですが、ビームや碍子は平板に小さなテクスチャを貼っただけですので、見た目の割に軽量です。クロージャーに至ってはcube構文で超手抜き。電線類は一部省略していますが、雰囲気は十分出ていると思います。細かい電線に透過テクスチャを使うと楽そうですが、メモリ使用量が増える、アンチエイリアシングをかけると遠景で消滅してしまう、そしていつもの縁の透過不良といった問題がありますので、地道に頂点を打ち、テクスチャも貼らず色指定のみで仕上げました。 ファイル 31-3.jpg  完成した電柱を七久保駅周辺に建てたところ、手前味噌になってしまいますが、予想を遥かに上回る「日本臭さ」に大満足です。やはり何でも作る前にしっかり観察し、構造を学んでから取りかからないと、説得力のあるもの、もしくは自然に見えるものは作れない、ということでしょうか。  観察といえば、実際の電柱は右や左に傾いているものが多く、直立している方が珍しいくらいです。むしろ整然と並んでいると違和感が激しく、データ上でもバラバラに傾けたいところなのですが、今のところBVEの構文にはオブジェクトを傾斜させるパラメータがありません。ですので苦肉の策として、左右に傾いたものも含め、数パターンのオブジェクトを作り分け、それらをランダムに並べて自然に見せるようにしています。  いい加減路線データを先に進めなくてはならないのですが、こういった「理想の風景」を再現するためのオブジェクト造りが楽しくて、ついつい寄り道してしまいます。とりあえずこの勢いで、横方向や交差部などの電柱・電線類を一式作ってしまうつもりですが、高圧鉄塔のストラクチャも作り直したくて、先日から資料を集めているなど、まだまだやること山積です。小町屋は遠いなぁ・・・。

電線

ファイル 5-1.jpg  入院中の方が更新頻度が高いWEBページというのはいかがなものか・・・、検査などの無い日は結構暇なのですよ。  とはいえ新規延長部の製作はまだ手を付けていませんので、代わり映えのしないスクリーンショットでスミマセン。もはや間違い探しゲームの様相を呈していますが、今回いじったのは、電線類の仕様変更・追加です。  以前から架線の他に“き電線”や通信線を張っていましたが、配置を簡略化するため架線柱と一体化させていました(動画その1参照)。しかし、架線柱の種類が多くなりすぎるため、オブジェクトの管理はもとよりディテールアップや仕様変更の作業量が膨大になり、これではイカンとBVE5への対応に備え根本的に見直しました。  BVE4の仕様上25m/50mきざみなのはそのままですが、今回から電線のオブジェクトは架線柱と別体とし、rail扱いにしました。架線柱のストラクチャ数を1/3程度まで減らせたのも収穫ですが、なにより電線の位置や高さ、本数を自在に調節できるようになったのが大きいですね。  ああいった電線類は一定の位置に張られているわけでは無く、ホームや踏切などでは接触を避けるため高い位置に張られていますし、複線以上の架線柱になると張り方も様々に変化します。本数も必要に応じて変化し、信号機や踏切などの施設が増える駅付近になると電線だらけになりますね。架線柱側の仕様変更(碍子位置の調整、ディテールアップ)は極一部しかできていませんので全線の置き換えはもう少しかかりますが、試験的に七久保構内の電線類をいくつか配置したところ、なかなか実感的で良い感じです。  決して綺麗では無い、むしろ写真を撮るときにいつも邪魔してくれる鬱陶しい電線ですが、このゴチャゴチャ感こそ日本の鉄道の風景ではないでしょうか。常に車窓から見えているものだけあって、有ると無いとでは印象がずいぶん変わるものです。まだパーツ点数が少ないのでバリエーションに乏しいのですが、合間を見て豊かな電線風景?を再現できるよう、これから更に作り込んでいきます。

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