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2018年の記事は以下のとおりです。

BVE5 阪急京都線公開

  • 2018/02/10 20:00
  • カテゴリー:その他

20180210161623.jpg 10月に開催した福寿舎でのイベント「電車運転マルシェ」で使用させていただきました当方改造のBVE5阪急京都線ですが、イベント時から更に拡張して区間を河原町~高槻市とし、置き換えストラクチャも増量して公開することになりました。

 原作のL53さん、改修のすずはるさん他、阪急系作者の皆様あっての改造版ですのでどういう配布方法がふさわしいか悩みましたが、あくまで一連の作品から派生したものということで、すずはるさん改修パックに同梱していただくことにしました。

20180210160417.jpg 今回の改造にあたってはイベントに間に合わせる必要があるため制作当初から納期を設定、またフリーソフトとして常識的なクオリティの閾値がどのあたりにあるのか探り、妥協の仕方、手の抜き方も並行して研究することを目標としました。趣味としてトコトン再現したいという飯田線とは真逆の発想で、どちらかというと「商品開発」に近い考え方で作っています。ですので中には処理の雑いところ、「ここは置き換えないの?」といったところもあると思いますが、そこは「そういうもの」と思って諦めて下さい。

 線路周りを中心にストラクチャを置き換えしましたが、これはPC環境が原作時代から大きく進化して高解像度テクスチャが使えるようになったこと、繰り返し感を軽減したほうが移動している感覚=速度感が掴みやすいことから、線路に近いところほど大きく手を入れています。

20180210160429.jpg 沿線の風景についてはほぼそのまま、ただし線路周辺と風景の繋ぎ目に関しては自然な流れになるよう、ある程度置き換えて調整しています。結果としてプレイヤーの目は比較的解像度の高い線路周り、つまり画面中心部に集中することから沿線風景は緻密に作り込まなくても気にならない、という結果になりました。グリーンマットでは物足りないけど、みっちり作り込むのはハードルが高い…という作者の方は参考にしていただけるかと思います。

20180210160438.jpg 地下やトンネルの表現についてはBVE本体の仕様上、制約の多い中で多くの作者様方が各々の解釈・技法で制作してこられましたが、私も自分の技術でどの程度のものが作れるのか興味のある分野でしたので、非常に新鮮かつ楽しく作業できました。

 古い時代のトンネルが続く京都方ですが、経年で積もった汚れやシミをおどろおどろしく?表現できるかが腕の見せ所。独特の退廃感をお楽しみいただければと思います。

20180210160450.jpg 駅周辺は手を付ける予定が無かったのですが、地下駅については線路周り~トンネルと一体化して「近景」の認識内でしたのでざっくりと改修しました。また高槻市駅については目の肥えた地元民がイベントに集まりますから、作者としても地元民なりの作り込みを施しておきました。すべての駅をこれくらい作り込めたら良いのですが、それはそれで時間がかかりますから今後の課題としましょう。

 線形はほとんど触らず、分岐器の置き換えにともなって調整が必要な箇所しか動かしていません。またストラクチャの構成もほぼそのままで、曲線部以外は原作の25m刻み準拠を出来るだけ崩すことなく処理しています。各ストラクチャはそのまま阪急各線に使いまわせるものが多くありますから、ユーザーご自身で高槻市以西を延伸するなり、神宝線など他の路線を改修するなども可能でしょう。

 制作開始から一応の完成まで持てる時間を全力投入してちょうど2ヶ月、そこからバグフィクスや追加要望の入れ込みで更に2ヶ月ほどを要しましたが、気分がノリに乗っていたので普段の1年分くらいの作業量はこなせたと思います。

 飯田保線区としてはあくまで副業?はいったんお休みにして飯田線他の制作に戻る予定ですが、いずれは梅田まで延伸したいな~と思っています。とはいえ、淡路駅周辺の立体化工事を工事前、現在の工事中、工事完了まで待つ…など、どう処理するべきかも決め兼ねていますし、長~い先の話になると思っていて下さい。

 

  なお、当データの推奨プレイ環境ですが、フルHD〜4Kの高解像度モニタを使用、別付けグラフィックスカードのドライバ設定でアンチエイリアス/テクスチャフィルタ等の高画質化オプションが正しく設定されていることを前提として設計しています。それ以外のオンボードグラフィック等でも動きはしますが、綺麗な描画は得られませんのでご了承ください。

 またPC本体についてはすずはるさん改修版の阪急各線が快適に動作する環境でしたら、同程度に動作するよう調整しています。ミドルスペック以上を対象としたスピンオフ作品ということで、こちらでロースペック環境への対応は行いません。ご自身でデータを改修されるなり、PCを買い換えるなりで対処していただくようお願いします。

 

データのダウンロードはすずはるさんのブログへ。楽しいひとときを与えて下さった阪急系作者の皆様にあらためて感謝!

サンライズ出雲で食堂車ゴッコ

  • 2018/01/10 23:00
  • カテゴリー:旅行

20180130235612.jpg お正月休みはかねてから乗りたかったサンライズ出雲91号に乗ってきました。サンライズ自体は何度か乗っていますが、いかんせん夜行列車にしては乗車時間が短く、夜が明けてからの景色を楽しむ余裕があまりないのが不満です。

 出雲91/92号は盆、年末年始の多客期に予備編成を用いて運転される臨時便で、91号が東京発の下り出雲市行きとなりますが、他の定期列車の合間を縫って走るため定期サンライズより3時間長くかかって約15時間弱の長時間乗車が楽しめます。東京駅を発車するのは定期サンライズより少し遅い22:21ですが、定期サンライズの発車する22時の直前に隣のホームへ入線するため、この時期だけはサンライズ2本の並びが見られるのも貴重ですね。

20180130235627.jpg 雑魚寝に近いノビノビ座席以外は全室個室寝台のサンライズ、2階のシングルを10時打ちで確保して乗車しました。人によって好みは様々ですが、私はこの湾曲した窓から眺める夜景や星空が大好きなので2階オンリー、シングルデラックスの広さには憧れるものの景色オタクとしては窓に面していない机は不要なので過剰な贅沢、かといってソロはシングルとさほど値段が変わらないのに狭すぎ…ということで、いつもシングル一択です。

 熟慮するべきは左右どちら側の景色を見たいのか、また小テーブルが進行方向前側にあるのはどの部屋か。特に後者は背もたれに体を委ねて景色を眺める時の快適性が大きく変わってくるので、ネット上に散らばっている詳細な座席表などをよくよく調べて指定しなくてはいけません。

20180202114251.jpg 定期サンライズの乗車時間が短いことは先に触れましたが、そのため寝台以外の設備はシャワーブースとミニサロン、ドリンクの自動販売機のみと最小限です。ミニサロンもあまり長居を想定した調度にはなっておらず、かつての寝台特急にあったロビーカーや食堂車ほどの居住性はありません。

 下りのサンライズ瀬戸/出雲は東京発が22時ちょうど。これは夕食を済ませて乗る時間になります。上りの瀬戸は高松発が21:26で、これもうどんを食べてから乗車する時刻。唯一出雲の上りは出雲市発が18:51なので駅弁なりコンビニ飯なり持ち込む必要があるでしょう。1日に走る定期サンライズ4本のうち供食が必要なのはこの1本だけですので仕方のないことですが、寝台特急に乗って食堂車が無いのは何とも寂しいものです。

 というわけで、前置きが長くなりましたが今回は「サンライズで温かい洋食を食べる」を目標に、無いものは作るの精神で食堂車ゴッコを楽しみます。

20180130235644.jpg 舞台は個室の小テーブル、幅40cm/奥行30cm程度の限られたスペースに食器を並べます。ランチョンマットと皿は100円均一ショップのプラスチック製、グラスはちょっと値が張りましたがこれも傷が付きにくいプラ製、カトラリーもメッキ仕上げのプラ製です。

 メインディッシュはステーキ…と行きたいところですが焼いて時間の経ったものを美味しくいただくのは難しいので、デパ地下のハンバーグで妥協。しかし電子レンジも無いサンライズの車内ではこれを温かい状態で食べるのが難しい。火気は厳禁、大容量の電気も使用禁止ですから、ここは非常時やキャンプで使う加熱材を試してみます。

20180130235715.jpg 専用の耐熱袋に石灰を主とした発熱材と水を入れると化学変化で高温になる便利グッズですが、紐を引けば加熱する「あっちっち駅弁」と同じシステムのものです。パッケージングは異なりますが原理は同じなので車内でも問題なかろうと、さっそく水を投入。すぐに加熱が始まりますが、発生した蒸気が袋の通気穴から吹き出すのでタオル等を巻いておくと、火災報知器(装備されている?)の反応や窓の曇りを防げる上に熱が籠もって加熱が促進されるのでオススメです。

20180130235722.jpg 東京駅周辺のスーパーやデパ地下で仕入れたサラダやソーセージ、パンなどの食材をそれっぽくお皿に盛り付け…、最後に熱々になったハンバーグを乗せたら完成です!

 先行の列車が詰まっているため相模湾に沿ってゆっくり進むこの日のサンライズ。客車列車ほどの風情はありませんが、穏やかな走行音をバックに、街の灯りと月明かりに照らされた水面を眺めつつ、温かい食事を楽しむ時間はまさに寝台特急の食堂車。ベッドの上に胡座をかいて…という苦しい姿勢なのは残念ポイントですが、十分以上に満喫できました。

20180210151633.jpg 営業時間の縛りもなく、気ままに食事を楽しむことができました。あとは眠気の限界が来るまで夜の景色を楽しんで寝るだけ…なのですが、その前に加熱パックの残り水の処分と皿洗いもセルフサービスなのがツライところ。加熱剤の残り水は「人に害はないけど飲用しないように」とのことです。皿洗いは車内の水道を詰まらせないよう、ウェットティッシュなどで出来るだけ拭き取ってから洗いましょう。

 寝台特急に乗って寝るなんてモッタイナイ! 本来の役割との矛盾を感じますが、娯楽としての乗車ですから起きていられる限りは夜景を眺めていたいものです。照明を消して室内を真っ暗にすると外の明かりが鮮明に見えて感激しますが、これも個室寝台ならではの楽しみ。未乗車の方は是非とも体験いただきたいと思います。

 夜明けは明石海峡あたり、伯備線に入ると特急やくもを優先させるため長時間停車を繰り返しつつ13時17分に出雲市着、昼食時すらまだ車内というのんびりダイヤなので、昨晩の食材の残りを消化しながら約15時間の旅を終えました。

 夜景を眺めながら列車内で食事…というのも「出来る範囲のちょっとした贅沢」の範囲で考えると、定期トワイライトエクスプレスの廃止後は難しくなりました。食器や食材の準備は面倒かつ荷物が増えるデメリットもありますが、やってみるとナカナカ楽しい遊びでしたので皆様も是非どうぞ~。

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