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8番分岐器 その後

ファイル 6-1.jpg  2月更新の当記事でリニューアルの予定をお知らせしていたポイントのストラクチャですが、ようやく最初の1本が一応の完成となりました。といっても資料集めと寸法の検討、そして気合いの充電に時間がかかっただけで、実質的な製作時間は頂点打ちで1日、テクスチャの製作と位置の微調整で2日の、合計3日間です。  前回アップしたIllustratorの図面では曲線側のリードレールが全て曲線になっていましたが、実物の写真をよく見るとフログ側にわずかな直線が挿入されているようですので、あれから少し改良しました。結果としてリード半径は110m、かなりの急曲線ですが1067mmの8番ならこんなもんでしょう(というか、どう計算してもこれくらいの数値にしかなりません)。 ファイル 6-2.jpg  実は単純にリード半径を比較すると以前のストラクチャの方が少し緩いのですが(そりゃ全長に渡って曲リードだもの)、今回の方がカーブを描いている部分の長さが圧倒的に短いので、分岐角はずいぶんと緩やか。見た目にも明らかにゆったりしています。複線間隔を5mから3.8mに変更したのは以前書いたとおりですが、以前は制限25以下で走行しても車体が左右に大きく振られる感じに違和感を覚えましたが、今回のは「そうそう、こんな感じ。」と、納得のいく走行感です。複線間隔が変わっても、レール2本分の50mで渡り切るのは同じですから、そのぶん曲線が緩やかになるのは当然ですが、実際にデータを作り直して運転してみると、そのあまりの違いに驚くほどです。 ファイル 6-3.jpg  BVE用のレールは断面が実物の“工”型とは違い、たいていが“□”型に省略したモノです。私もこの作り方を踏襲していますし、“工”型にしたところで手間と消費リソースほどの効果があるとは思えません。しかし、分岐器のトングレールの表現には悩まされました。“□”型のままトング先端を細らせると、ペラペラの厚みのないレールが出来てしまい、正面から見ると不自然きわまりないのです。かといってトング先端の断面形状を正確に表現しようと思うと、自ずとレール断面を“工”型にする必要が出てくるから困りものです。しかもトングレールだけをリアルにしたところで、リードレールとの接続部に違和感が出るだけですし、ハテサテどうしたものか・・・。  色々試行錯誤した結果、画像のようにトングの先端に行くに従って形状が“□”から複雑に変化するようにしてみました。今回、特に立体化した部分とテクスチャのみで表現した部分の差が極力目立たないよう注力しましたので分かりにくくなっていますが、トング先端の少し色が明るい部分が断面、ちょうど簡略化した椅子のような形状になっています。実物の形とはまた少し違うのですが、最低限の頂点数でそれらしく違和感なく見える妥協点だと思います。後から気になるようであれば、断面部分だけ専用のテクスチャを貼り付ければ更にリアルに見せることができるでしょう。 ファイル 6-4.jpg  さっそく完成したポイントを七久保構内に配置してみました。複線間隔が狭まったことと渡り線の中間部が直線になったことで随分と見栄えが良くなりましたね。貨物扱いをしていた駅ですから、スプリングポイントではなく電気転轍機だと思っていたのですが、現地取材をしたところ手動だったのでした。転轍レバーは別体のストラクチャで作っていますので、必要に応じて電動にすることも可能です。  前方、逆向きに進入するものはまだテクスチャができていないため素っ裸。というかテクスチャの材料が不足しているので、退院後に良い角度で撮影できる分岐器を探し歩かなくてはなりません。それから、作業測線側のレールは表面の錆びたモノに代えなくてはなりませんが、これもまだです。ただし、こういった差し替えを想定して直線側と分岐側のレールを別々のCreateMeshBuilderで作っているので、基本的には一方のテクスチャ画像の指定を変えるだけでOKなのです。 ファイル 6-5.jpg  前々から「いつかはやらねば」と気が重くなっていた分岐器のリニューアルがようやく形になってホッとしているところですが、まだまだ課題山積です。まず上に書いた反対側から見たテクスチャを作らなくてはなりません。凹凸感や影の都合で同じモノを反転させるわけにはいかないのです。また、同じく影の都合で左開きのものも別にテクスチャを用意しなくてはいけません(これは右開きのを明暗調整すれば誤魔化しが効く・・か?)。更に開通方向によってトング部のテクスチャをそれぞれ用意しないと、トングレールと床板の兼ね合いがおかしくなってしまいます。あぁ・・・、あと何枚テクスチャ要るんだろ? もっと言えば伊那本郷の10番分岐器はどうしよう?(当面は8番で誤魔化そう←でも制限35だと違和感あるのよ)とか、そういやどっかにYポイントやらカーブポイントやらあったなぁ・・・とか、エトセトラエトセトラ。  割り切ってしまえば全てのポイントをリアルにする必要も無いとは思うんです。例えば今回作ったものは駅に停車中、ずっと前方に見えているのでじっくり見られる時間が長いわけですが、逆に場内に進入するときのポイントなんて、停車のことで頭がいっぱいになって見てない、なんてこともあるわけですね。とはいえ、ハッキリ見えなくても「なんかゴチャゴチャしてる」からリアルに見える、というのもこれまでに経験済みなわけでして、後から「あ~、最初からちゃんと作っときゃ良かった」なんて思うのも嫌なので、ここはもう少し頑張って数パターン作ることにします。

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