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カテゴリー「データ制作」の記事は以下のとおりです。

BVE5で色々動かしてみました

 BVE5 IM0.8で作った列車交換の動画、気が付けば投稿から1年が経とうとしています。データの製作はとにかく時間のかかるもので、このところは一駅一年を実感していますが、さすがに時の流れの早さにビックリです。  さて、他列車構文の実装により列車交換が実現した当時は甚く感動したものですが、あれで全てが解決した訳ではありません。例えば動画では尺の都合1分半程度に切り詰めていた飯島駅の停車時間ですが、実際には6分以上もあります。その間構内踏切は閉じっぱなしなのか? 警報機は鳴りっぱなしなのか? スプリングポイントでない駅の分岐器はどうするのか? 色々気になってきますし、そもそも長時間停車をただボ~ッと待つだけでは退屈すぎます。  そうした諸々の問題をできるだけ解消し、よりリアルに、より楽しい路線にするべく、数々の小細工を盛り込んだサンプルを作ってみました。 ファイル 84-1.jpg  七久保駅から南へ、信号所も含めて4駅目の「上片桐」駅を舞台に、90年台末頃まで存在したセメント会社の引き込み線を絡めて寸劇を演じます。サイロ群は路線制作開始当初から既に解体撤去されていましたので資料も乏しく、推測の混じっている部分もあります。テクスチャ類も使用に耐える解像度の実写画像が無いため合成や描き起こしによるものですが、雰囲気は似せることが出来たと思います。  貨物扱い廃止後の姿しかご存じない方にはなかなか新鮮な光景でしょうし、当時を知る方は在りし日の姿を懐かしんでいただけるのではないでしょうか。 今回からYoutubeにも投稿してみました。 ニコニコ動画がエコノミー画質になってしまう方や会員でない方、海外からのアクセスはこちらへどうぞ。(細かいところが動いているので、いずれもフルスクリーン推奨)  BVE5.0で構文の規格がほぼ定まってから9か月、ようやく作者側としても一通り使いこなせるようになった気がします。この間様々な試行錯誤をしていたのですが、その過程で製作時に気を付けるべき点やトラブルの回避法、裏技などもかなり洗い出せましたので、より良いデータ製作のために記事を起こして…なんて思っているのですが、書くことが膨大な上なかなか時間が取れず、纏めるのはもう少し先になると思います。

電車の窓って汚いね・・・

 BVE5で運転台パネル画像がPNG形式に対応してからというもの、窓ガラス部分を汚したり、反射を表現したデータがチラホラと出現するようになりました。  過去の動画に使ったパネル画像も、ガラス部分に映り込んだ時刻表灯を簡単に表現していましたが、今回は本気で汚れの表現に取り組んでみました。  JR東海の名誉のためにひと言添えておきますと、東海車の清掃・メンテは非常に行き届いていて驚かされるレベルです。しかし長距離山岳路線の飯田線ともなると、どうしても走っている間に汚れてくるのでしょう。時と場合によっては今作のような状態になってしまうのです。 ファイル 79-1.jpg  メインは汚れの染み付いたガラス面にワイパーの拭き跡。汚れた部分の「雨垂れ」の質感をどう表現するかが肝ですが、ゼロからそれらしく描画するのは極めて難しいので、実際に汚れた窓に黒紙を充てて撮影し、データ上で強調加工したものを素材としました。  他にも山岳路線らしく、羽虫の死骸が貼り付いていたり、鳥の糞が落ちていたり、飛沫のような汚れが散らばっていたり、マァなんとも汚い。皆さんも一度カメラの露出を思いっきりアンダーに振って電車の窓を撮影してみて下さい。思った以上に汚れているものです。 ファイル 79-2.jpg  作業中の画像は少々大袈裟なくらいで製作を進め、完成したらパネルとして組み込み、実際にBVEを起動して路線上でイメージを確認。下品にならない程度の透過率に調整して完成です。  景色が明るいところと暗いところでは汚れの見え方が全く変わりますので、色んな路線・場所で試してみると良いでしょう。  ガラス面の反射については上手い方法が見つからず、今のところ再現していません。しかし汚れがあるだけで、自分と景色の間に「何かもう1枚ある」感じがして、臨場感が向上します。また、静止している汚れと動く景色が交差することにより、何も無いのと比較して、よりスピードを感じられるのも良いですね。  虫の死骸や鳥の糞は不快感を感じる方もいらっしゃるでしょうからお好みで。拙作の運転台ではこれらが原寸大で表示されるため、なかなかの不潔感が漂っております(笑)

BVE5のサウンド出力に疑問

 このところ自作データの試運転を除けば、じっくり腰を据えての運転をしていませんでしたので、気付くのが遅くなってしまいましたが、BVE5のサウンド出力に疑問を感じたのでメモしておきます。 (※コンピュータ内部やプログラミングの知識が無い、あくまで一般PCゲーマーの視点で書いていますので、トンチンカンな解釈がありましたらツッコミお願いします)  まず当方のサウンド環境を晒しておきますと、“SoundBlaster X-Fi”からアナログ5.1chスピーカーへ出力しています。  OSはWindows7ですので、Vista以降でDirectSound HALが廃止されたことによりDirect3DSound/EAXの拡張機能は使えないはずなのですが、WindowsUpdateのドライバではなくメーカー配布のドライバを使用すると、市販ゲームソフトは拡張機能も含めて正常動作しています。ドライバで無理矢理ソフトウェアエミュレートしている可能性はありますが、とりあえずサウンドデバイスは問題無く動作していることを前提としておきます。  BVE4ではステレオ2ch出力でしたので、X-Fi固有の機能であるCMSS-3Dで疑似サラウンドに拡張して5.1ch全てのスピーカーを鳴らしていましたが、解析が入るとはいえ元ソースはあくまで2chですので、音の定位は厳密ではありません。それでも“音に包まれている”ことによる圧倒的な臨場感が素晴らしく、特にサラウンドのバランスを後ろ寄りに設定してやると、モーターや台車の音が(どちらかというと)背後から聞こえてきて、いかにも運転室に居る気分にさせてくれるのでした。  さて、BVE5では正式にサラウンド出力に対応するようになりました。「BVEにサウンド設定画面なんて無いけど?」と思われるかもしれませんが、OSのスピーカー設定を参照して自動認識しているはずです(UAA―Universal・Audio・Architectureで管理されるVista/7以降の場合。XP以前のOSは未検証)。  ネイティブで5.1ch出力が可能になり、臨場感と音の定位も向上してめでたしめでたし・・・、ならば良かったのですが、実はここで大問題が発生。サラウンド出力されているのは[Sound3D]で定義される、他列車の走行音と踏切警報機音など(旧.Doppler構文)に限られ、自列車の発するモーター/走行音や機器操作音などのサウンドはステレオ2chで出力されているのです。  つまり、走行音などほとんどの音は前方左右のスピーカーからしか聞こえないのに、踏切通過後の警報機音だけはリアスピーカーから聞こえてくるという、ちぐはぐな状態。  2chで出力されているといっても、5.1ch出力の中で2chしか使っていない、という意味ですから、先述のCMSS-3Dで2ch出力を疑似サラウンドに拡張する・・・という裏技も使えず、現状ではPCから直接のサラウンド出力は実質不可能という事になります。  お金を掛けても良いということでしたら、PCのサウンドは2ch出力に設定して、ホームシアターシステムなどPC外部で疑似サラウンドに拡張するという手はありますが、BVEのためだけに数万円の投資をして、しかもそこまでやって“疑似”サラウンドというのは、さすがに割に合わないと思います。  ユーザーの取れる選択肢がそれくらいしかないので、結局は「mackoyさん何とかして下さいお願いしますm(__)m」になっちゃいますが、お忙しそうなのでどうしたものか。  素人考えで思い付く対処法は二つ。ひとつはBVE側でサウンド出力のチャンネル数を設定できるようにしていただけないか。市販ソフトのコンフィグ画面にもよくありますが、「2ch/5.1ch/7.1ch」といった選択肢から任意に選ぶものです。これがあればOSの設定は5.1chでもBVEは2chで出力できますから、ドライバ側で疑似サラウンドに拡張する事が可能なはずです。  根本的な解決にならず、あくまで「疑似」サラウンドに無理矢理対応させるだけですが、比較的容易に対処できるのではないかと想像しています(選択肢を作ったら後はAPIが何とかしてくれるんじゃない?とか簡単に考えていますが、プログラミングの事は全然分かっていませんので、難しいor手間のかかる事でしたらスミマセン)。  もう一つ、根本的かつ理想的な解決策は、全てのサウンドを3Dに対応させていただくのがベストと思います。音の発生位置をsound.cfgあたりで座標指定できれば完璧(BVE5のSound3D構文や、旧.Doppler構文でもXY座標で音源位置を指定できるように)。モーター/走行音、マスコン、ブレーキ、ATS警報機・・・、それぞれの音が微妙に違った方向から聞こえてきたら素晴らしいなぁ~と妄想しています。  冒頭で、とりあえずデバイスに問題が無いことを前提とする、と書きましたが、なぜ「とりあえず」なのかと言いますと、WindowsVista/7以降に発売された新しい世代のサウンドカードでサラウンド出力がどのように機能しているか、当方では検証出来ないからです。DolbyDigitaiに対応したサウンドカード等を人柱的に購入して試してみたいのは山々なんですが、台所事情が芳しくありませんので今はちょっと・・・。  というわけで、記事をご覧になられて「ウチはサラウンドで鳴ってるよ~」という方がいらっしゃいましたら、サウンド環境を添えてコメントいただけないでしょうか? 条件としては、WindowsVista以降のOSで、オンボードまたはサウンドカードから(ホームシアターシステムを介さず)直接サラウンドスピーカーへ出力されている方。  もし原因が古い世代のパーツを使用している事にあって、交換によって回避できる事ならば、プログラム側の問題と決めつけて改善を期待するのは筋違いでしょうから、できるだけ情報を集めたいと思います。  BVE5が一応正式版として公開されてしばらく経ちますが、実のところ作者目線で見ると「現状でどうやって作ればいいの・・・」と困惑気味です(マニュアルが整備されていないとかではなく、構文そのものの構造として)。それらについては作者間で意見交換をし、何がどう問題なのか、それについて現状で対処法は無いのか? ならばどう改善してもらうのが良いのか? といった具合に集約しています。  「アレが欲しい、コレが欲しい!」と我が儘放題の要望になってはいけませんし、これまでのコメント欄やメールでのやりとりでも、技術的な質疑応答というのはほとんどありませんでしたので、この件はオフ会を中心に進めていますが、そういった意見を拒むつもりは一切ありませんので、気になる事があれば遠慮無く書き込んで下さい。ただ、こちらも余力がありませんしサポートセンターではありませんので、「BVEの動かし方がわかりません」とか、そういうのはご勘弁願います。

田切駅 ver.3

ファイル 71-1.jpg  予告していました田切駅周辺のリニューアル作業が一段落しましたので、久々の制作記です。  まずは動画に使っていた頃のデータから。現田切駅は前後を急曲線に挟まれた、非常に短い直線区間に設けられていますが、複数の河岸段丘の合成によって生まれた複雑な地形のため、築堤上にホームを設けるという無茶をしています。  駅直前にオーバーパスするのは三州街道こと国道153号線。線路とは少し距離を隔てて飯島から併走してきた道路は、左手から急勾配を下りつつ、ほぼ線路と直交して右側へ抜けます。実際には線路をくぐるとすぐに急カーブで線路と併走し、そのまま中田切川へ向かって高度を下げていきます。つまり線路も道路もSカーブで、それらが直角に交わる、いわば卍のような配線になります(参考:Yahoo!地図)。  ただし、道路の右側は運転台からの視界外になりますので、BVEデータでは省略します。 ファイル 71-2.jpg  簡素な造りのプラットホームは、前回のリニューアル作業で十分満足できるクオリティに仕上がっていますので今回は触りません。  それよりも気になるのが、左側に広がる聖徳太子由来の浄土宗寺院「聖徳寺」とその駐車場。このあたりのデータを作った当時は、数の限られた汎用ストラクチャをパズル的に組み合わせて風景を作る方針でしたから、どうしても画一的な感じがしてしまいます。  というわけで、今現在の方針である“専用ストラクチャ>汎用ストラクチャ”に従い、より実感的で表情のあるストラクチャに作り替えることにしました。 ファイル 71-3.jpg  1枚目とほぼ同じ角度から、リニューアルした国道153号とその周辺です。ここで重要なのは「右肩下がり」。複雑な地形を縫って走る飯田線北部ですが、一番大きな地形的要素は左手の中央アルプスと右手に流れる天竜川の河岸段丘ですから、平均すると左側が高く、右側が低い地形になります。これをキッチリ再現しておかないと平野部を走っているようにしか見えず、飯田線の特徴を演出することができません。  国道の勾配は7%としましたが、実際には5.5~6%といったところで、より傾斜を感じさせるためのデフォルメ表現ですね。加えて階段状に配置した田畑も高低差を植え付けるのに一役買っていますが、汎用ストラクチャでこれだけ込み入った地形を表現するのは難しいため、専用品として道路のストラクチャに組み込んでいます。  また、今回から森の中遠景に1枚板のストラクチャを試用してみました。スケール感や自然に見える縦横比のバランス、色彩など詰めなければならないところも沢山ありますが、単体の木を沢山並べた従来のストラクチャと比べると、見た目、軽量化の両面で概ね良好。更に数パターン用意して順次入れ換えて行く予定です。 ファイル 71-4.jpg  2枚目と同じ角度からですが、お寺と駐車場が全体的に奥まったのがお分かり頂けるかと思います。現地取材と航空写真によって気が付いたのですが、以前のデータでは駅に対して聖徳寺一帯が30mほど手前すぎたようです。  駐車場の位置、形状もほぼ実物通りに再現しましたが、なかなか広い駐車場です。いつ行っても1~2台しか車を見ませんが、これがお盆やお彼岸には一杯になるのでしょうか? ファイル 71-5.jpg  特に思い入れがあるわけでは無いのですが、聖徳寺はかなり念入りに再現しました。本堂は以前から使っていた物の小改良、庫裏は有り合わせの汎用ストラクチャですが、境内と周囲は大幅に改良し、実物をご覧になった方でも違和感なく見ていただけるのではないかと思います。省力化のためアレンジしていますが、特徴的な唐風の山門と塀も再現。また、奥行きのある垣根を今回はじめて立体にしてみました。築堤上から見下ろす位置関係のため、横から見た板一枚では不自然になるのです。  杉林に囲まれた境内はまるで神社のようですが、実際にはもっと多くの杉が生えており、線路からは建物がほとんど見えないくらいです。それを馬鹿正直に再現しては面白味がありませんので、少し間引いて建物がチラチラ見える程度に調整。リアルとは言えないのかも知れませんが、その方が見栄えがするという一種のデフォルメです。 ファイル 71-6.jpg  田畑も一緒になった国道部分のストラクチャですが、自列車は見通しの悪いカーブした切り通しを抜けて走ってくるため、死角になって見えないところはザックリ省略。  余った労力は曲線を描く畦を再現するなど、「タイルを並べただけ」みたいなCGモロ出しの画一的な風景にならないよう、注力しています。手前側のテクスチャの貼り方が汚いですが、ほとんど見えない部分なので良いかな・・・? ファイル 71-7.jpg  聖徳寺はこれだけを1つのストラクチャとして纏めてあり、ココに無い建物、樹木類はmap.txtでチマチマと配置しています。何でもかんでも1つのストラクチャに纏めてしまえば、それ1つをポンと配置するだけで風景が完成するので楽チンですが、それでは莫大なメモリ消費になってしまうので、使い回しの利く物は分けるようにしましょう。  地面に貼ったテクスチャは実際の境内を撮影して切り接ぎ加工した物ですが、解像度を低く抑えた割には極めて好印象。ただの草地や砂地のテクスチャではなく、“ごちゃっ”とした感じがリアルさを引き立てます。  テクスチャの余白部分や隙間のあるところは、建物で隠れたり、運転席からの視点では見えないところです。 ファイル 71-8.jpg  田切駅が登場する作品と言えば、懐かしの「究極超人あ~る」が有名ですが、最近また別の漫画に露出しているようで、この国道をくぐる農道のトンネルがロケ地であると、どこかのブログで拝見しました。「なんでまたこんなマイナーなところで!?」と思わなくもないですが、元々何も無いところですので、少しでも脚光を浴びるのは良いことなのかもしれません。  現在は国道の歩道と農道を連絡する、歩行者専用の階段が右側に設けられている他、違った形状のガードレールが増設されるなど、地味な変化を見せていますが、BVEデータは1995年前後を想定して作っていますので、それらは再現しません。  さて、これで国道周辺の見栄えが良くなりましたので、次回はココを使って「自線に直交する他線に車両を走行させる方法」を、動画を交えて解説する予定です。

“tilt”値による鉛直配置

 従来のBVEでは、勾配中にストラクチャを水平(鉛直)配置するには、線路インデックス「-1」に対して配置するか、逆勾配を設定した他線に対して配置する必要があり、前者についてはheight値を相殺した「高さ」を設定するのが面倒、後者に至っては、そもそも他線を引くのが面倒・・・と、何かと手間のかかる仕様でした。  BVE5の構文では、ストラクチャを配置する際の引数が大幅に強化され、項目が増えたため一見複雑化したように見えますが、イレギュラーな配置に対しても簡単に、柔軟に対応できるようになりました。 ファイル 67-1.jpg  以前製作し、既に動画や画像にも度々登場している電信柱ですが、ご覧のように柱と電線を一体化させていますので、これまでは電柱を鉛直に配置することができませんでした。しかし、急勾配の道路から直角に生える電柱は、やはり不自然。かつ「目で勾配を感じられる風景」を作るという、このところの目標からすると邪道・・・、というか手抜き感が拭えません。ですので、電柱と電線を分離し、電柱のみを鉛直に配置するよう改良していきます。 ファイル 67-2.jpg  先日の自動車の画像とほぼ同じ位置ですが、今回の主役は道路に並んだ電信柱。微妙に左右へ傾けたものを混在させてるため分かりにくくなっていますが、鉄道の架線柱と比べると、平均して仰け反り気味、つまり道路に対して直角に立っているのが分かると思います。 ファイル 67-3.jpg  とりあえず、電線とセットになったストラクチャはそのままで、配置だけ鉛直に直してみます。公式ページの解説で「tilt」と表記されている値を、1から0へ打ち換えるだけ。  修正前後で、柱の傾きそのものは微妙な違いですが、階段状になった電線から、どれだけの「嘘」があったか分かりますね。静止画ですと「この程度いいんじゃない?」と思ってしまいそうですが、動画になると違和感は顕著になります。 ファイル 67-4.jpg  電柱のストラクチャから電線を削除しました。電線は別ファイルにコピペして、新規のストラクチャとしますが、実はそのままでは使えません。  今回の例では、高さ約9~10mの位置に複数の電線を配置していますが、この電線が高さが約0mになるよう、Y値から10引いています。つまり、そのまま配置すれば地面スレスレのところに電線が這うような感じ。 ファイル 67-5.jpg  説明が難しいので図解しますと、システムは原点(Y=0)を基準にしてストラクチャを傾斜させますので、高さ方向の値が大きくなればなるほど、Z位置があるべき場所からズレてしまいます。  対処法として、ストラクチャでは電線の高さを原点(Y=0)とし、配置する際に有るべき高さまでY位置を上げてやると、電柱との位置関係は「ほぼ」適当なところに収まってくれます。当然、最上段と最下段の電線では微妙にZ位置が違うことになりますが、数センチの誤差ですので、運転していて気になることは無いでしょう。 ファイル 67-6.jpg 電柱と同位置に、ただしY位置だけは10mプラスして電線ストラクチャを併記して完成です。最初の画像とほとんど変わらないように見えますが、電信柱が鉛直を基準に立つようになったため、自線が上り勾配にあることが感じやすくなりました。 ■おさらい  “tilt”値について、デフォルトの「1」では、対応するrailに対して直角にストラクチャを配置します。つまり、従来のBVEと同様の配置法。  「0」にすると鉛直に配置し、従来のrailインデックス「-1」への配置と似た感じになりますが、height値の影響は受けません。自線が勾配であるとき、建物類を配置するのに適しています。  「-1」では、勾配だけではなくカントにも沿うように配置されますので、Repeater構文で線路のストラクチャを並べるのに好都合です。

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