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碓井峠 鉄道文化むら

ファイル 26-1.jpg  29日は横軽周辺にて取材活動。その日のうちに甲府まで移動して宿泊、30日は朝から中央西線経由でひたすら西進して帰阪しました。  レンタカーを軽井沢で返却ついでに、旧軽井沢駅記念館にて旧しなの鉄道のマルタイをみっちり撮影し、その後はバスで横川へ。主ミッションは「碓氷峠鉄道文化むら」でEF58の資料収集です。BVEストラクチャのテクスチャ素材として、いつか作ろうと詰んである1/50スケールのプラモデルの資料として・・・、ありとあらゆる角度で撮影しておきました。後ろに繋げて10系客車が並べられているのはニクイ演出ですね。20系や24系ほどの華はありませんが、「夜行急行」なんて哀愁漂う雰囲気が大好きな車両です。当時としては慣れない軽量設計ゆえに耐久性が乏しく、今となっては現物を見られる機会がほとんど無いのが残念です。 ファイル 26-2.jpg  昼食はおぎのやの「峠の釜飯」、基本中の基本ですね。園内に保存されているお座敷客車「くつろぎ」の車内でいただきました。微妙~に冷房が効いているので、山中とはいえ猛暑と評判の群馬県ですから助かります。  食後は思うところあってクハ189の運転台を撮影したり採寸したり。外装は国鉄特急色にお色直しされていますが、運転台まわりはかなりくたびれています。後から思えば、故障中のシミュレータ(実車運転台を使用したモノ)を見せてもらうよう頼んだ方が良かったかも・・・。お子様達に混じって部品の写真を撮ったりメモを取ったり、客観的に見れば珍妙な光景だったことでしょう。 ファイル 26-3.jpg しかしこの鉄道文化むら、展示車両の多くは客室内や運転室に入れるように整備されているため、じっくり見て回るとまる一日かかりそうですね。大宮に行くよりも濃い一日が楽しめるように思えます。しかし今回は取材メインであり、かつ碓井第三橋梁の見学もしたかったので、他の車両はまたの機会にして切り上げ、信越旧々線を遊歩道化した「アプトの道」を歩きました。往復10kmのハイキングですが、炎天下の下を延々と続く66.7‰の急勾配は徒歩でもキツく、ホントにこんな坂を列車が走っていたの?と疑ってしまうほど。歩きには自信がある方だったのですが、第三橋梁、通称めがね橋に到着する頃にはヘロヘロに。  撮影時はグロッキー状態でしたが、帰路は下りなので割と楽チン。途中の温泉施設「峠の湯」でひとっ風呂浴び、涼しくなる夕方まで時間をつぶしてから横川へ戻りました。横川からの帰路は「時刻表を見ずにどこまで行けるか」的なお遊びで、高崎から八高線経由で中央本線へ、23:30に甲府へ到着しました。最終の小淵沢行きがありましたが、宿も無いところで立ち往生する可能性大でしたので、甲府で一泊することにしました。 ■テクスチャ素材としての写真撮影 ファイル 26-4.jpg ▼ 画像をドラッグすると移動、クリックで拡大表示を終了します。 翌日は塩尻経由で中央西線へ、名古屋から東海道本線で帰阪しました。中央東線の普通列車はほとんどが新長野色の115系で運用されていますが、特急待避の長時間停車が何度かありましたので、テクスチャ用の写真を山ほど撮っておきました。個人的には信州らしく爽やかなこの塗色が気に入っているのですが、好き嫌いが分かれるようですね。  製作中のBVE飯田線は169系で快速「みすず」が運用されていた時代ですので115系は不要なのですが、169系の鮮明な写真が手持ちにありませんので、115系をベースに作ることにします。165/169系と115系、兄弟車ではありますが側面はもちろん、前面もよく見ると細かな差異がありまして、そのあたりは画像処理で何とかしなくてはなりませんね。  何を作る場合でも、現物の鮮明かつ理想的な角度で撮られた写真が残っているのなら、それに超したことはないのですが、そうでなければ現物とはいえ不鮮明なものや立体感ない写真を使うよりも、類似する何かを理想的な条件で撮影し、それをベースに工夫して作った方が結果的には高品質な物を作ることができます。  今回は旅日記状態でBVE的話題がほとんどありませんので、最後にテクスチャ素材の撮影について少し書いてみます。  鉄道写真を沢山ストックしているからといってBVEのテクスチャ素材に困らないかというとそうではなく、むしろそのまま使える写真というのはほとんどありません。光線や陰影の具合や時代設定についてはこれまでも書きましたが、一番重要なのは写真を撮る角度。できるだけ運転台から見た角度に近い角度で撮影しないと、意図した立体感が出せません。列車の場合はナナメ方向から撮影した写真も少なくないと思いますが、遠近で像が小さくなる後半部がテクスチャとして使用に耐える解像度を持っているかというと、まぁだいたいダメでしょう。テクスチャ画像は、テクスチャ画像用に撮影することが望ましいわけです。  上の画像は分解写真・・・ではなく、車輌1両分のテクスチャ素材です。当然ここでは縮小していますが、元画像の解像度は1枚あたり3008x2000ドットで、単にこれは私のカメラの上限値です。メモリも安くなりましたから、こんなところでケチっても仕方ありません。  車体が白いのでディテールを飛ばさないようアンダー気味で撮影。逆に床下を撮る場合はオーバー気味でないとディテールが潰れます。肉眼より遥かにダイナミックレンジの狭いデジタルカメラで車体と床下を同時に撮るのは自殺行為なので、手間はかかりますが別々に撮りましょう。もっとも今回は169系への転用を前提とした撮影ですので、115系の床下は不要。撮影はしていません。  立体感を出すコツは、常に列車に対してナナメにカメラを向け、そのまま列車と並行に移動するように撮影します。まぁ何分割するかは要求される解像度次第で、BVE程度ならここまで細分化する必要な無いとも思うのですが、レンズの歪みによる寸法の狂いを最小限にするためや、遠近による歪みを補正して繋ぎ合わせる際の画質の劣化を最小限に抑えるため、このような撮り方になっています。実際に編集作業をしてみると半分くらいしか使わなかった、なんてこともありますが、まぁ残りは保険というか、精神衛生上の問題ですね。  あとはPhotoshopなど、それぞれ使い慣れたツールで合体させ、色合いを整え、最後の最後に画像サイズを縮小して完成です。「窓やドアを毎回撮影せずに、形は同じなんだから使い回せばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、微妙な反射やブラインド、車内の様子がそれぞれ微妙に違います。ひとつの画像を使い回すと「繰り返し感」が出てしまいますので、できるだけ車輌の端から端までを撮影して一枚に繋げるようにします。  駅舎などの横に長い建物も基本的には同じ。差し掛け屋根の柱や吊り下げ看板の類が壁面の前にあって邪魔になる場合は、微妙に位置をずらせて数枚撮影し、「写らないところが無いように」カバーします。小さな建物ですと数枚に分割して撮ることはありませんが、運転台からの位置を意識してナナメから撮影するのは同じです。  こういうのは動画で作業しながら解説した方が分かりやすそうですが、はてさて次の動画はいつになりますことやら? 小町屋周辺の空き地がまだまだ目立ちます。

うすださん

ファイル 25-1.jpg  今日は予定通り諏訪を出発し、小淵沢からは小海線に乗り換え、佐久平で下車した後はレンタカーで沿線をウロウロしていました。鉄道ネタとしては「久しぶりの小海線は相変わらず雄大だったなぁ~」というくらいで、BVE関係も含めて話題は特に無し。メインは野辺山の電波望遠鏡と臼田の通信アンテナ、ふたつの巨大パラボラアンテナを巡る一日となりました。  特に素晴らしいのがJAXAが運用する臼田の宇宙空間観測所。東洋一を誇るパラボラアンテナの直径は実に64m。背面のトラス構造が美しく、その巨大さが与える圧倒的迫力はもとより、反してレースの編み物のような繊細さすら感じさせる構造物です。 ファイル 25-3.jpg  話題の「はやぶさ」は燃え尽きて運用が終了しましたが、現在は宇宙ヨットなどと称される小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」との通信などに使用されています。使用していない時のパラボラは真上に向けて固定されているのですが、訪問時はちょうど通信が終了するタイミングだったのか、ナナメに傾斜したところから直上に回転する姿を拝むことができました。  写真ではその巨大さが伝わらないのが残念ですが、手すりや階段といった人のサイズが想像できる部分と比較していただくと、「とりあえずデカイ」ってくらいはお分かりいただけるかと思います。 ファイル 25-2.jpg  運良く運用中の姿を撮影できた臼田のアンテナですが、夜間の姿も見てみたくなり、真っ暗の林道を戦々恐々と約10km登って再訪しました。夜のアンテナがどういう状態にあるのかは知らないまま、とりあえず山を登っていきましたが、木々の間から現れたアンテナはライトに照らされて白く輝いており、その迫力と神々しさには体が震えるほど感動させられました。  先述のとおりパラボラは上を向いて静止していますが、その姿はまるで映画「未知との遭遇」のワンシーンのよう。実は宇宙船と交信してるとか、実は秘密のレーザー兵器だとか言われても信じてしまいそうな、眼前に存在するにもかかわらず非現実的な光景でした。  鉄分の少ない一日でしたが、明日は横軽方面へ移動し、軽井沢の旧軽井沢駅舎記念館と、横川の鉄道文化むらを訪問する予定です。前者ではしなの鉄道を引退後、保存展示されているマルチプル・タイタンパーを、後者ではEF58電気機関車をみっちり取材します。いずれもBVE用ストラクチャとして製作予定で、テクスチャに必要な写真を揃えてしまいます。EF58は先日の浜松工場の公開日に157号機が展示されていたようですが、どうしてもスケジュールの都合がつかなかったので、文化むらの172号機を素材として代用します。

ちょっと飯田線に乗ってきた

ファイル 24-1.jpg  先日の取材旅行は沿線を車/徒歩で巡るだけでしたので鉄分不足! というわけで、今度は飯田線に乗車してきました。豊橋発10:43発の通し列車 519Mで北上、伊那市で食事を取ってから続けて北上し、現在は諏訪湖畔に滞在中です。今回は取材というより乗り鉄旅行がメインでしたが、ついでに不足していた素材も集めてきました。  まずは119系の運転台パネル。より完成度を高めるべく高解像度の画像を取りまくりました。それから車両オブジェクト用の素材として、床下機器の一部と、屋上のインバータークーラー、ベンチレーターなども撮影しています。ラッキーだったのは大沢信号所にて上下交換のため数分間の停車がありましたので、信号所の建物についても鮮明なテクスチャ素材を得ることができました。このご時勢、築堤を登って撮りにいくわけにもいきませんので困っていたのですが、これにて解決です。  画像は相変わらず七久保駅にて。 ■飯島食堂のソースカツ丼 ファイル 24-2.jpg  伊那市での夕食はまたもや「ソースカツ丼」。今回お邪魔したのは中華料理屋メインの「飯島食堂」さんですが、ソースカツ丼の味とボリュームが評判でしたので行ってみました。昼の営業は一階の食堂のようですが、夜の営業はなんと二階の個室。年季の入ったお部屋ではありますが、天竜川を眺めながら周囲を気にせず、気ままに食べることができました。  噂のカツ丼はこれまで食べた中でも最大級。厚切りロースが二段重ねで乗ってまして、丼の蓋がまったく意味を為していません。実はこの蓋、どちらかというと「取り皿」的存在で、一段目を蓋に除けてから食べないとご飯にアプローチできないというワケ。サクッと揚がったカツは300gくらいあるでしょうか。後半はご飯が足りないという普通とは逆の状態。甘口ソースは比較的ウスター寄りの味付けでした。お値段は1,100円。カツ丼としてはお高めですが、実際目にすればむしろ安いと感じること請け合いです。  美味かった!けどお腹が限界。ローメン専門店をハシゴする予定はキャンセルになりました。 ■上諏訪の花火は毎日開催 ファイル 24-3.jpg  画像の洋館は、上諏訪駅から徒歩5分くらいの諏訪湖岸に位置する「片倉館」というもので、なんと昭和3年の建築。左右非対称が珍しい、まるで教会のような建物ですが実はコレ、公衆浴場なんです。到着時間の都合で入浴はできなかったのですが、後日朝風呂に挑戦したいと思います。  建物の左に輝くのは諏訪湖の花火大会。4万発を誇る8/15の大花火大会とは別に、約15分間/800発の打ち上げ花火が毎日(8/1~9/5の間)上げられているのです。湖畔のホテル街からはもちろん、湖岸通りからもよく見え、特に混み合うことなく気軽に花火が見れるのが素晴らしいですね。  片倉館園内の樹木が被ってベストアングルとはいきませんでしたが、なんとか建物と花火を同時に捉えることが出来たのでポチリ。  明日は小海線にて佐久平方面へ移動します。鉄道とは関係ありませんが、小惑星探査機「はやぶさ」で話題になった臼田の64mパラボラアンテナや、野辺山の45m電波望遠鏡を見学に行く予定です。巨大構造物が大好きなので今からワクワクが止まりません。

杉林の表現に目覚める

ファイル 23-2.jpg   初夏から夏にかけて現地や近所で樹木や森林の写真を撮りまくりましたので、そのあたりの再リニューアルを進めています。最新版の動画でお気付きの方がいらっしゃるかもしれませんが、線路際の雑木林のストラクチャは陰影表現の強化や下部に盛り土を再現するなど、初期のものより少しディテールアップしています。 ファイル 23-3.jpg  それに対して杉林のストラクチャはドコをどう改良すべきか方向性がまとまらず、リニューアル当初のままで動画を投稿しましたが、ようやく盛り土と下草の再現、陰影による立体感と遠近感の表現、テクスチャ解像度の向上という線で落ち着きました。  右の画像は上段が従来のもの、下段が新作ストラクチャに置き換えたもの。道床~地面~下草の繋ぎをどうすれば自然に見えるか、線路際や近所の林道などで似たようなシチュエーションを観察して考察・再現しました。あとはアクセントに低木を散らせば、より豊かな表情になるのではないかと思います。 ファイル 23-4.jpg  そもそも従来の杉ストラクチャは陰影をどの角度で付けるか悩んだ挙句に決めかねて、ほとんど影を付けることなく完成させたものでしたから、いささか立体感に欠けるところがありました。と言うのも、この路線データは通学ラッシュが落ち着いた後の午前中をイメージして製作していますが、西から東へ走る下り列車から前方を見れば、日光は概ね右から左へ当たることになります。ということは樹木単体のオブジェクトですと左側に影ができるわけですが、森や林といった集合体になると並び立つ樹木がお互いに生成する影も加わるので、複合するとどんな影になるのか解釈が難しくなってきます。  最初に挙げた比較画像を例に解説しますと、線路の右側に並ぶ杉林に対して右から左へ日光が当たるという原則を当てはめると、線路側の面が影になり、旧ストラクチャもわずかにその傾向で陰影を付けていました。しかし、よくよく考えてみるとこの杉林、それなりに幅のある防風林ですから奥、つまり右側に行くほど暗くなるという解釈もできます。 ファイル 23-5.jpg  試行錯誤した結果、木々の重なりが作り出す影を優先して表現することとし、樹木の中央部に影を設けるという、単体の樹木では有り得ない絵面になりました。おかげで暗い部分の手前に比較的明るい末端の葉が浮き上がるように見えるため、基本的には板オブジェクト同然ながらも随分と立体的に見えるようになりました。  Zバッファに起因する縁の透過不良防止と、針葉樹らしい刺々しい葉の輪郭を表現するため、葉の部分のテクスチャは512×1024ピクセルという巨大画像になっています。ただし、影を中心に持ってきた副産物として、テクスチャを左右反転させて使うことが出来るようになったため、2枚のテクスチャで4種類の樹木を作成し、メモリ使用量を少しでも減らすよう努めています。幹はほとんど目立たないので4本とも同じテクスチャで、こちらも多少のメモリ削減に。 ファイル 23-6.jpg  出来上がった杉林のストラクチャですが、そのまま並べただけでは道路脇の並木のように幹の向こうがスカスカに透けて見えてしまい、奥行きや暗がりの迫力が感じられません。そこで、模型で言う背景パネルのようなモノを作り、盛り土・下草を表現したオブジェクトと一体化させています。  かなり暗めの色合いに設定していますので画像では分かりにくいかもしれませんが、背景部には杉林のテクスチャを貼り、奥行きを感じさせるようにしています。下草の部分も、線路に近い手前は明るく、奥に行くに従って暗くなるようにテクスチャを作ります。  最後は実際に路線データに配置し、全体の色合い・明暗のバランスを調整しますが、これが簡単なようで難しい。幹の部分は枝や葉の陰になりますから少し暗い目にしますが、しかし背景よりはわずかに明るくして浮かび上がるように、逆に背景のテクスチャを暗くしすぎるとディテールが潰れて見えなくなってしまうので明るすぎず暗すぎず・・・と。他にも架線柱に張った電線類を引き立たせるにはどれくらいの明るさが良いか、線路や道床との繋ぎは自然か、他の木々や周囲の風景とのバランスは取れているか・・・エトセトラエトセトラ、ありとあらゆる要素が密接に関係するので、トーンカーブをチョイと動かすだけでも「アチラを立てればコチラが立たず」といった具合で苦労させられます。

今季の現地取材完了

ファイル 22-1.jpg  予定通り7/29~8/1までの4日間を伊那谷で過ごし、七久保~伊那市の現地取材が完了しました。駅数にして13駅、距離約25km。線路沿いに道路の無い一部の区間は車でワープしていますが、それ以外は徒歩で往復しましたので、1日あたり10km以上は歩いたことになるでしょうか? 動画で言ってました自転車の輪行は体力的に無理でしたが、これはこれで良いリハビリになりました(とはいえ帰ったとたんに疲労のせいか夏風邪にやられまして、忙しさもあって更新が1週間ほど遅れたワケですが・・・)。  後半2日間は駒ヶ根~伊那市を順不同に撮り歩きました。左の画像は赤木~沢渡間を行く119系ですが、実はワタクシ鉄道写真はほとんど撮らないんですよね。学生の頃まではよく車両メインで撮りに行ったものでしたが、以後模型鉄と乗り鉄がメインになると車両そのものよりも、列車から見える風景とか、鉄道を中心とした一帯の風景に興味を持つようになったため、駅の待ち時間にポチッと撮る程度しかしなくなりました。なので鉄道写真のお作法とかは全然わからないのですが、何となくソレっぽいのが撮れたので掲載してみました。方向幕がチョット残念ですが・・・。  ひとつ資料として注目したいのは、今までは無かったはずの真新しい制限標が立てられていること。ATS-Pの導入に合わせてのことと思いますが、今後数を増やしていくのかもしれませんね。95年前後を再現する当BVEデータでは配置しませんが、気になるのはその制限値。基準ではR400は制限75のはずですが、この標識では制限70となっています。やはり線路規格の低さが影響しているのでしょうか? ファイル 22-2.jpg ■JR最急勾配  碓氷峠ほどのインパクトが無いためマイナーですが、横軽無き今となっては赤木~沢渡間の40‰がJRの最急勾配となっています。ほんの数百メートルの区間ですし、私鉄にはもっと急な勾配がいくらでもありますから、わざわざココを見るために現地を訪れる人も少ないとは思いますが、ただでさえ五月蠅い MT55Aを唸らせて駆け上る119系はなかなかの迫力です。  それはそうと、今回の取材で強く認識したことは、線路からの風景だけではなく、周囲から見た線路の写真も重要だということ。例えば左の画像、線路は築堤になっていて左右の宅地や田畑は一段低いところにあるのですが、高いところから低いところを見た高低差というのは非常に認識が難しいのです。まぁ「低いんだろうなぁ」程度には分かりますが、それが何メートルくらいの差になるのかは全く読めません。 ファイル 22-3.jpg  そこで同じ地点を少し離れたところから撮ったものが左の画像です。見下ろしただけではわかりませんでしたが、かなりの高さの築堤上を走っていることが分かりますね。レール面からトロリ線までの高さを約5mとすれば、それと比較して道路からレールまでの高さも4~5mほどありそうです。  このように、低いところから高いところを見ると、その高低差は一目瞭然です。ですから線路が周囲よりも低い谷の部分を走っているなら、前面展望ビデオや列車からのかぶりつき撮影で地形を捉えることが出来ますが、逆に線路が周囲よりも高い位置にある場合は、離れたところから客観的に線路を撮影しないと、地形を再現したBVEデータの製作には資料として片手落ちということになります。  地形、という点では現状のデータに大きな不満がありまして・・・。北部の飯田線は天竜川右岸の段丘に沿って走っていますが、ということは傾斜地の等高線に沿って走っているということになります。ですから下り列車だと線路の左側が中央アルプスの山麓で高くなり、右側は天竜川ですから低くなっています。例外もありますが、平均すると常に右肩下がりの地平線の中を走っている感じですね。  現在使用している地面や田畑、線路を横断する道路のストラクチャは全て水平に作っていますので、この“ナナメ感”が表現できていないんです。なので傾斜地用のストラクチャを新たに数種類作るか、もしくは現状の横長データを細分化し、高低差を付けて配置するなどの改良が必要です。いずれにしても根本的な部分であり、ほぼ全ての区間で大幅な変更が必要になるので攻めあぐねている状態です。 ■いろいろ食べたよ ファイル 22-4.jpg  まずは、またもやソースカツ丼。前回の「みや川」さんはいかにも大衆食堂といった体裁でしたが、今度は小洒落た喫茶店のようなレストラン「シャトレ」さんでいただきました。相変わらず3cm以上はありそうな厚切りロースのカツが、お店の謳い文句によると200g以上というボリューム満点で盛りつけられています。  特製の甘口ソースは他店より少し辛みの効いた、一般的なウスターソース寄りの味付け。もちろんウスターそのものではご飯の味と喧嘩してしまうので「わずか」な違いなのですが、これが絶妙に食欲を掻き立てるスパイスとなってアッという間に完食。お値段1,000円。  余談ですが伊那のソースが並べて甘口なのは材料に林檎を多用しているからで、調味料ひとつとっても少し調べてみるとご当地色が出てくるのは面白いですね。 ファイル 22-5.jpg  次はこの地域独特の“ローメン”というもの。ラーメンなんだか焼きそばなんだか、少し太めの蒸し麺に肉やキャベツなどを放り込んでソースやスープで味付けしたもの。カツ丼同様に甘口ソース味なんですが、具体的にどんな味?と言われると説明できないもので、気になる方は実際に食べてみて下さい。以前の取材時にも2軒で食していますが、今回は先述の「みや川」さんで。  画像では分かりにくいのですが、定評通りのボリュームで「並」サイズでも1.5人前はありそうな量でした。このお店は全体的に薄味に仕立てられていますが、大盛りなので卓上の調味料で味付けを変えながら完食するという配慮(らしい)。並が620円で大が790円だったか。ちなみに大は男性3人でも腹一杯になりそうなボリューム(一人でモリモリ完食してる強者を目撃しましたが・・・)。 ファイル 22-6.jpg  最後にご紹介するのは伊那名物というよりも、「みや川」名物の“からあげ定食”です。鶏の唐揚げが3つにスパゲティやサラダ、味噌汁にご飯が付いて 680円。まぁ普通というかお買い得というか、そんな感じに思えますが、ツッコミどころは唐揚げのサイズ。分かりにくいので左上に同行者のゲンコツを置きましたが、一般男性の拳と同じくらいのサイズがあるのです。私は男性にしては手が小さい方なので、自分の握り拳の方が唐揚げよりも小さくてちょっとショック・・・。  手前のご飯が茶碗ではなく丼なので、そのあたりからも全体のボリュームを察していただけるかと思いますが、私は唐揚げ1個で腹一杯になりましたので、残りは袋(店に常備!)に入れて持ち帰りました。ちなみに5個盛りで950円というのもありまして、だいたい唐揚げだけで1kgくらいになるそうです。  当然ながら毎回こんなのを食べていたのでは財布も腹も大変なことになってしまうので、コンビニパンとか牛丼250円とか、そういうのを間に挟みながら適当にやっています。 ■取材道具 ファイル 22-7.jpg  以前の動画で「デジカメの容量が足らないんじゃ?」といったコメントをいただきましたが、車で取材する場合はアレコレ荷物を持っていけますのでノートパソコンを携行しています。1日で撮影する枚数が500~1000枚くらいですので、晩になったら泊まり先でパソコンに移し、記憶がハッキリしているうちに駅間毎にデータを区分けして整理しておきます。大容量のSDカードをたんまり買い込んでおけば良いだけの話でもありますが、一応紙メディア以外の資料も入ってるし、ネット環境さえあれば連絡用にもなるし、何かと便利なので携行しています。  カメラはペンタックスのK100D。デジ一眼としてはエントリー機ですが、電源に単三乾電池を使用できるため、予備のエネループを持ち歩けば多い日も安心。それでも足らない場合はコンビニでアルカリ電池を買えばそこそこ撮影できるのが強みです。オートフォーカスがアホな上にペンタミラーでファインダー像が小さいため、マニュアルでのピント合わせに苦労するのが難点で、ペンタプリズムの上位機種に買い換えたい思いもあるのですが、上位機種は電源が専用リチウムバッテリーなので旅先での万一を考えると躊躇します。ペンタプリズムで乾電池OK、ダイナミックレンジ拡大機能の三点が揃った新型が出たら飛びつくかも。 ファイル 22-8.jpg  レンズは2本。周辺全体のイメージを把握する時はシグマの広角ズームで10~20mm、テクスチャの材料を撮る時はタムロンの安物望遠ズームで 28~200mm。2本の間がちょっと足りてませんが、そこは自分が動けば良いだけの話。用途に求められる画質とフットワークを考えればコンデジでも良さそうなんですが、どの製品も広角側が圧倒的に足りないんですよね。あと使いにくかろうがイザという時にマニュアルで撮れるのは心強い。  携行する地図はYahoo!地図を線路に沿って画像化し、駅間毎に繋ぎ合わせてプリントアウトしたもの。別に他の地図でも良いのですが、飯田線沿線に関しては地図データが2001年前後と古く、データが想定している時代設定に近いので重宝しています。今回は持って行きませんでしたが航空写真モードも同じ時期に撮影されたものでしたので、今はなくなってしまった建物が多く写っており貴重な資料になっています。よ~く見れば架線柱も判別できる解像度なのが嬉しいですね。いつ最新の写真データに更新されてしまうかわかりませんので、地図同様に画像化して保存しておきました。 ファイル 22-9.jpg クリーム色のファイルは運転関係線路要図。平成18年に発行されたものなのでデータが想定している時期とは変わっているところもありますが、そのへんは別資料で補うしかありません。貴重なものなのでまず全ページをコピーして・・・と思っていたのですが、面倒になってそのまま持ち歩いています。まぁコレクターじゃないので、いいか。  勾配や曲線はもちろん、信号機の配置や踏切名なども記載されているので路線データを作る際には重宝しています。ただし、基本的に100m単位で描かれた図ですから、これだけで路線データを作るのは難しいでしょう。現地で得た資料と線路図、地図などを組み合わせて25m単位、そして更に細かなデータを作っていきます。 ■その他雑感  図書館へ寄る時間が取れるか微妙だったのですが、皮肉なことに最終日の炎天下に負けまして、撮影を中断して飯島町の図書館へ避難しました。こぢんまりとした規模で蔵書も多くはありませんが、さすがに郷土史は充実していたので楽しませていただきました。  直接資料になるような記事・写真はほとんど無かったのですが、伊那電が開通した当初の写真を多数見ることが出来、また建築様式と地場産業の関連についての記述も興味深かったですね。ネット全盛の現代ですが、それでも紙メディアの持つ説得力も捨てがたいもので、今まで知らなかったことを知る機会であるのはもちろん、「こうなんじゃないかな?」という推論の裏付けを得る機会にもなります。  今回は飯島町だけでしたが、また次の機会に駒ヶ根市、伊那市の図書館も訪れてみようと思います。  取材期間中は毎晩温泉に入っていたのですが、伊那市の三セクが運営する「みはらしの湯」がそこそこお気に入り。循環させているので塩素臭があるのは残念ですが、ヌルヌル感のある泉質は温泉らしさも十分で、湯上後も気持ちよく過ごせました。  特筆すべきは露天風呂。湯船は小さいものの眺望は良好で、駒ヶ岳山麓に位置するため手前に伊那谷、遥か前方には南アルプスを望むという好立地。露天風呂が好きであちこち入りにいってるんですが、周囲の塀や目隠しのせいで折角の開放感が台無しになっているところが多い中、ここは高台にあるので目隠しも低く、半身浴したまま景色を眺められるのが良いですね。また先述の塩素臭も風がさらってくれるので気になりません。  スケジュールを合わせたわけではなく偶然だったのですが、7/31は『みのわ祭り』の花火大会が行われ、露天風呂に入りながら暮れゆく空と打ち上げ花火を眺めるという、最高に贅沢なシチュエーションを堪能させていただきました。会場は伊那市のお隣の箕輪町、駅で言えば伊那松島のあたりですので距離が8kmほどあり、眼前に広がる大迫力・・・とはいきませんが、人混みに押されることもなくゆったりと、なんとも風情あふれる一時でした。  ちょうど帰阪した頃から100歳以上の高齢者が多数行方不明・・・という悲しいニュースが流れていますが、伊那谷では人々の距離が都市部よりも少し近く、ほっこりさせられました。  人口密度は都市部と比べて圧倒的に低いわけですが、それでも撮影していると農作業をされている方や散歩中の方、結構な数の人と顔を合わせるので、目が合っちゃうとお邪魔している立場のこちらとしてはそのまま逸らすのも気不味いですし、不審者扱いされても困りますので軽く会釈しておいたのですが、そうするとほとんどの方が「こんにちは」と声をかけて返して下さるんですよね。すれ違う子供達なんて向こうから「おはようございまーす!」なんて元気に挨拶してくれて、つい唖然として挨拶を返し損ねそうになったりも。  最初はビックリしましたし、私よりもっと若い方だと「面倒くさい」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、4日も現地に密着しているとだんだん自然に挨拶ができるようになるもので、「あ~、こういうのもいいなぁ」なんて思ってしまいました。まぁ防犯の意味もあるかもしれませんが、少なくとも不快に感じることはありませんから、こういう習慣は素晴らしいですね。

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