エントリー

標識の充実

ファイル 8-1.jpg  いつぞやの記事で標識類が重要だと書きましたが、あれから色々充実させています。まずはキロポストを全面的に作り直しました。距離標には甲・乙・丙の3種類がありまして、甲はキロ数の書かれた、先の尖った大きなもの。乙はそれよりひと回り小振りな500m単位のもの、そして丙は100m単位で設置される小型のものです。これまでもそれぞれ設置していましたが、今回は形状・寸法の見直しと、使い回していた乙・丙の完全な作り分けを行いました。乙・丙には下部に小さくキロ数が書かれているのですが(例えば150.3kmポストなら3と書かれた丙号の下部に小さく150と書かれています)、従来のものはキロ数の部分に適当な数字を入れた後、判読できないようボカシを入れて汎用品としていました。ところがフルHDで運転していると、ふとした拍子にこのボケた文字が目に飛び込んで来ては、自らの妥協を突き付けられるようで何とも不快だったのです。  そんなわけで全ての数字を入れて飯田~辰野間に必要な約680本を製作し、既にレールが引けている七久保~駒ヶ根間への配置も完了しました。 ファイル 8-2.jpg  次に特発(特殊信号発光機)を作り直したので、それに合わせて踏切名などを表示している看板を新規に作りました。飯田~辰野間にある踏切用看板が約 130点、他に落石や中継などいくつかを合わせて約140点を一気に作りました。キロポストもそうですが、こういう単純作業は勢いでやってしまわないと嫌になりますから・・・、私はけっこう飽き性なのです。ちなみに特発も架線柱の正面に付くもの、左や右に張り出したもの、独自のポールを持つものなどパターンがあり、そして配置位置が自線の左のもの、右のものをそれぞれ別に作っています。配置位置の違いは共用してもいいかな?と思っていたんですが、反対側に置くとヒサシのテクスチャがおかしな感じに見えましたので、作り分けることにしました。 ファイル 8-3.jpg  話題に逆行するようですが、従来から立てていた制限標のほとんどを撤去しました。これは現地取材で分かったことですが、飯田線では分岐器制限以外の制限標はほとんど立っておらず、運転士は線形を全て暗記して運転しているようです。  「リアルな運転シミュレータ」を前提としたBVEですから、やはり実際に無いものは配置したくありません。Limit構文で曲線半径に対する制限速度を全て入力していますが、イキナリ「速度超過警告」を表示されるのもチョット理不尽な話。そんなわけで曲線標を立てることにしました。緩和曲線の入り口に逓減標、そして円曲線の始まりに曲線標、円曲線の終わりに裏向きの曲線標、そして緩和曲線の出口にまた逓減標、この4本で1セットです。  実際は運転士が目視することはあまり無いのか、草や障害物に隠れていることも多々ありますし、また正確な緩和曲線長や円曲線長などは資料や取材からも読み取ることができませんでしたので、こればかりは実際の配置通りとは行かず、見やすさとイメージを重視して配置しています。なお、配布の際には曲線半径に対する制限速度のリストも添付する予定です(まだ全てが判明したわけではありませんので、現地調査や情報収集を繰り返さないといけません)。 ファイル 8-4.jpg  「BVEはゲームじゃないやい!」ってことで最近はニコ動の“ゲーム”タグを意図して付けないようにしているのですが、とはいえ広義にはゲームである BVE。出来の良いシム系ゲームソフトは難易度の高さゆえに繰り返しプレイするほど面白味が出てくるわけですが、出来が悪ければそれも苦痛でしかありません。  自分で遊ぶにしろ、配布して多くの方に遊んでもらうにしろ、できるだけ長く繰り返してプレイできるものにしたいのが作者の心情というものですが、都会の路線と違って列車密度が低い飯田線では先行列車とのカラミや遅延回復、数々の対向列車などのお楽しみ要素はありません。やり込み要素と言えるのは複雑な線形くらいのものですから、製作者もプレイヤーもそのあたりに力を入れるべきなのかな・・・なんて思っています。乗客の負担にならない程度に減速して急カーブを抜け、警告表示を出すことなく再加速がバッチリ決まれば、ドライブシムで良いライン取りが出来たときのような爽快感が得られます。  あとは緊張感の緩い部分で間延びしないように表情豊かな沿線風景を楽しんでいただければ、それなりに長く遊んでもらえるんじゃないかな~なんて思っています。  長らく放置状態が続いていた伊那福岡~小町屋間ですが、ようやく風景の再現に着手しました。しかし建物も木々も、汎用品の種類がまだまだ足りないな~といったところで、ちょくちょく作り足しながら進めています。で、新しい汎用品が出来たら既存部分も改良して・・・なんてやってるのでナカナカ前に進みません。また七久保、田切の再リニューアルがひと段落したので、今度は飯島周辺に専用ストラクチャを増設するなどの作業も並行してやっています。  線路の方は駒ヶ根まで延伸しまして、標識類の設置までは完了しました。合間合間でホームや駅舎の製作に着手していますが、上りホームの木造上屋と伊那電時代の赤穂支社ビルは既に取り壊されてしまっているため資料が少なく、再現に時間がかかりそうです。また、電留線の配置と上りホームの形状を正確に再現しようと思うと、両開き分岐器・・・いわゆるYポイント(もしかしたら振り分けかも)が必要になるので、そこも少し面倒。  しかし、駒ヶ根は周辺では一番大きな街ですし、駒ヶ岳の玄関口として駅の規模もそれなり。七久保を出発して30分弱は運転できますので、ひとつの区切りとして程良いところかと思います。BVE5がリリースされたらこの区間から先行公開かな?

田切駅をリニューアル

ファイル 7-1.jpg  延伸作業が滞っているので動画の更新が出来ていませんが、実はBVE5の動向をにらみつつ既存部分のクオリティアップに努めています。データに変更を加える度にコンバーターでBVE5仕様に変換して試運転をしているのですが、これまでと違ってGPUへの依存が高まったため頂点処理はいくら多くても問題なし。ただし全データをメモリ上に展開するため、テクスチャ容量には気を遣う必要がありそうです。タスクマネージャ上でのメモリ使用量とにらめっこしつつ、できるだけ高品位かつ効率の良いデータになるよう、既存データも試行錯誤して改良しています。  田切駅のストラクチャは従来より割と細かく作り込んでいましたが、データが重い割には見栄えの面で不満もあり、上記のような流れの一環で新規に作り直すことにしました。 ファイル 7-2.jpg  踏切のストラクチャの時に「曲がったもの」や影を取り入れると自然で良いと書きましたが、今回も同様にテクスチャ、頂点とも歪みや影の表現に注力しています。右の画像はワイヤフレーム表示にしたストラクチャとテクスチャの一部ですが、よく似たプラットホームの画像が2点ありますよね。上の1枚は連続して使うもので、柵による影をアスファルト部に描き込んでいます。この影もまっすぐではなく微妙にグニャグニャさせているのがポイント。一方、下の画像は待合室による影を付けたものです。影を表現する手法としては半透明のオブジェクトを重ね置きするのがメジャーですが(線路部にできたホームによる影はこの手法です)、より自然な影を表現するならばテクスチャに直接描き込むのが良いでしょう。  その左の小さな画像は、柵の鉄骨柱に使うテクスチャです。説明が分かりにくいですが、端に使う影の無いものと、水平方向の鉄骨による影を描き込んだ中間用の2種類を横に並べて1枚にしています。ということは当然ながら鉄骨を全て頂点で打ち、それぞれにテクスチャを貼っていかなくてはいけないわけですが、これは技術よりむしろ気合いの領域。数百の頂点を地道に作っていきます。 ファイル 7-3.jpg  水平方向の鉄骨については端から端まで一直線に引いてしまうとカッチリしすぎて嘘くさくなりますので、適宜分割して各々頂点の高さを微妙に狂わせています。といっても1~2センチの誤差ですから、パッと見には気付かないかもしれませんが、だからといってやりすぎるとかえって不自然になるので要注意です。左の画像は歪みを感じやすいよう望遠レンズのようにズームして柵を眺めたものです。わずかなゆがみですが、運転していても視界の端で何かが微妙に上下に揺れている感じがして、臨場感が豊かになります。  最終的に頂点数は890、CSVのファイル容量67.5KBとなりました。先日の踏切よりも軽量なのは、汎用性が皆無なので角度的に見えない部分は作っていないからです。とはいえ「少し表情を付けるだけのために頂点数増やして大丈夫なの?」といったご意見もあるとは思います。ところが結構これが大丈夫。 BVE5で試運転したところ、フレームレートの低下やカクつきなどの現象は一切見られず、また気になっていた消費メモリの点でも、テクスチャの効率が良くなったため従来のデータよりもかなり軽量になっています。  柵や手すりは透過テクスチャで作るのが一般的ではありますが、PC環境による透過不良や黒フチ等の問題がありますし、綺麗に見せようと思うとテクスチャがそれなりのファイルサイズになってしまいます。手はかかりますが頂点打ちしてテクスチャを貼ってやれば小さなテクスチャで処理できますし、なにより大きなモニタで見ても破綻しない確実な立体感が得られます。  ■BVE5の話とか ファイル 7-4.jpg  このところOpenBVEとそのObjectViewerばかり使っているのでOpenBVE用の路線だと誤解されそうな雰囲気です(特に海外の方)。実のところはソフトの安定性が本家より高いため製作中のデータチェックに愛用させてもらっているだけでして、最終的にはBVE5専用路線として配布予定です。  冒頭にも書きましたように、頻繁にBVE5にコンバートしてチェックをしておりまして、今のところ変換による不具合は全て対処済みです。BVE5用の製作環境がまだ整っていませんので、BVE4用の構文で製作して変換するというスタイルが定着していますが、BVE5ネイティブで製作できるようになると大量のカーブレールやカーブ築堤が不要になるなど、データの軽量化が大幅に進みそうです。  オマケのように掲載した画像は、現在製作中のBVE5用119系運転台パネルです。このところPC用モニタも16:10や16:9のワイドスクリーンが主流になってきましたが、ほとんどの運転台パネルは4:3を前提に作られているため景色を見ると計器が見えず、計器を見れば景色が見えず・・・、といったジレンマに陥ることしばし。そんなわけでフルHD、ワイドスクリーン対応です。実際の視界はもう少し広く、4:3や視点移動を使えば窓上のサンバイザーあたりから計器パネル下部までをカバーできます。  BVE5からサポートされたPNG画像だとアルファチャンネル(半透明)が使えるのでパネル縁のジャギーをアンチエイリアスで緩和したり、窓ガラスに映り込んだスタフ立てを表現してみたり、いろいろ試行錯誤しています。わざとらしくならない程度にワイパーの拭き跡なんて付けても面白いかもしれませんね。

8番分岐器 その後

ファイル 6-1.jpg  2月更新の当記事でリニューアルの予定をお知らせしていたポイントのストラクチャですが、ようやく最初の1本が一応の完成となりました。といっても資料集めと寸法の検討、そして気合いの充電に時間がかかっただけで、実質的な製作時間は頂点打ちで1日、テクスチャの製作と位置の微調整で2日の、合計3日間です。  前回アップしたIllustratorの図面では曲線側のリードレールが全て曲線になっていましたが、実物の写真をよく見るとフログ側にわずかな直線が挿入されているようですので、あれから少し改良しました。結果としてリード半径は110m、かなりの急曲線ですが1067mmの8番ならこんなもんでしょう(というか、どう計算してもこれくらいの数値にしかなりません)。 ファイル 6-2.jpg  実は単純にリード半径を比較すると以前のストラクチャの方が少し緩いのですが(そりゃ全長に渡って曲リードだもの)、今回の方がカーブを描いている部分の長さが圧倒的に短いので、分岐角はずいぶんと緩やか。見た目にも明らかにゆったりしています。複線間隔を5mから3.8mに変更したのは以前書いたとおりですが、以前は制限25以下で走行しても車体が左右に大きく振られる感じに違和感を覚えましたが、今回のは「そうそう、こんな感じ。」と、納得のいく走行感です。複線間隔が変わっても、レール2本分の50mで渡り切るのは同じですから、そのぶん曲線が緩やかになるのは当然ですが、実際にデータを作り直して運転してみると、そのあまりの違いに驚くほどです。 ファイル 6-3.jpg  BVE用のレールは断面が実物の“工”型とは違い、たいていが“□”型に省略したモノです。私もこの作り方を踏襲していますし、“工”型にしたところで手間と消費リソースほどの効果があるとは思えません。しかし、分岐器のトングレールの表現には悩まされました。“□”型のままトング先端を細らせると、ペラペラの厚みのないレールが出来てしまい、正面から見ると不自然きわまりないのです。かといってトング先端の断面形状を正確に表現しようと思うと、自ずとレール断面を“工”型にする必要が出てくるから困りものです。しかもトングレールだけをリアルにしたところで、リードレールとの接続部に違和感が出るだけですし、ハテサテどうしたものか・・・。  色々試行錯誤した結果、画像のようにトングの先端に行くに従って形状が“□”から複雑に変化するようにしてみました。今回、特に立体化した部分とテクスチャのみで表現した部分の差が極力目立たないよう注力しましたので分かりにくくなっていますが、トング先端の少し色が明るい部分が断面、ちょうど簡略化した椅子のような形状になっています。実物の形とはまた少し違うのですが、最低限の頂点数でそれらしく違和感なく見える妥協点だと思います。後から気になるようであれば、断面部分だけ専用のテクスチャを貼り付ければ更にリアルに見せることができるでしょう。 ファイル 6-4.jpg  さっそく完成したポイントを七久保構内に配置してみました。複線間隔が狭まったことと渡り線の中間部が直線になったことで随分と見栄えが良くなりましたね。貨物扱いをしていた駅ですから、スプリングポイントではなく電気転轍機だと思っていたのですが、現地取材をしたところ手動だったのでした。転轍レバーは別体のストラクチャで作っていますので、必要に応じて電動にすることも可能です。  前方、逆向きに進入するものはまだテクスチャができていないため素っ裸。というかテクスチャの材料が不足しているので、退院後に良い角度で撮影できる分岐器を探し歩かなくてはなりません。それから、作業測線側のレールは表面の錆びたモノに代えなくてはなりませんが、これもまだです。ただし、こういった差し替えを想定して直線側と分岐側のレールを別々のCreateMeshBuilderで作っているので、基本的には一方のテクスチャ画像の指定を変えるだけでOKなのです。 ファイル 6-5.jpg  前々から「いつかはやらねば」と気が重くなっていた分岐器のリニューアルがようやく形になってホッとしているところですが、まだまだ課題山積です。まず上に書いた反対側から見たテクスチャを作らなくてはなりません。凹凸感や影の都合で同じモノを反転させるわけにはいかないのです。また、同じく影の都合で左開きのものも別にテクスチャを用意しなくてはいけません(これは右開きのを明暗調整すれば誤魔化しが効く・・か?)。更に開通方向によってトング部のテクスチャをそれぞれ用意しないと、トングレールと床板の兼ね合いがおかしくなってしまいます。あぁ・・・、あと何枚テクスチャ要るんだろ? もっと言えば伊那本郷の10番分岐器はどうしよう?(当面は8番で誤魔化そう←でも制限35だと違和感あるのよ)とか、そういやどっかにYポイントやらカーブポイントやらあったなぁ・・・とか、エトセトラエトセトラ。  割り切ってしまえば全てのポイントをリアルにする必要も無いとは思うんです。例えば今回作ったものは駅に停車中、ずっと前方に見えているのでじっくり見られる時間が長いわけですが、逆に場内に進入するときのポイントなんて、停車のことで頭がいっぱいになって見てない、なんてこともあるわけですね。とはいえ、ハッキリ見えなくても「なんかゴチャゴチャしてる」からリアルに見える、というのもこれまでに経験済みなわけでして、後から「あ~、最初からちゃんと作っときゃ良かった」なんて思うのも嫌なので、ここはもう少し頑張って数パターン作ることにします。

電線

ファイル 5-1.jpg  入院中の方が更新頻度が高いWEBページというのはいかがなものか・・・、検査などの無い日は結構暇なのですよ。  とはいえ新規延長部の製作はまだ手を付けていませんので、代わり映えのしないスクリーンショットでスミマセン。もはや間違い探しゲームの様相を呈していますが、今回いじったのは、電線類の仕様変更・追加です。  以前から架線の他に“き電線”や通信線を張っていましたが、配置を簡略化するため架線柱と一体化させていました(動画その1参照)。しかし、架線柱の種類が多くなりすぎるため、オブジェクトの管理はもとよりディテールアップや仕様変更の作業量が膨大になり、これではイカンとBVE5への対応に備え根本的に見直しました。  BVE4の仕様上25m/50mきざみなのはそのままですが、今回から電線のオブジェクトは架線柱と別体とし、rail扱いにしました。架線柱のストラクチャ数を1/3程度まで減らせたのも収穫ですが、なにより電線の位置や高さ、本数を自在に調節できるようになったのが大きいですね。  ああいった電線類は一定の位置に張られているわけでは無く、ホームや踏切などでは接触を避けるため高い位置に張られていますし、複線以上の架線柱になると張り方も様々に変化します。本数も必要に応じて変化し、信号機や踏切などの施設が増える駅付近になると電線だらけになりますね。架線柱側の仕様変更(碍子位置の調整、ディテールアップ)は極一部しかできていませんので全線の置き換えはもう少しかかりますが、試験的に七久保構内の電線類をいくつか配置したところ、なかなか実感的で良い感じです。  決して綺麗では無い、むしろ写真を撮るときにいつも邪魔してくれる鬱陶しい電線ですが、このゴチャゴチャ感こそ日本の鉄道の風景ではないでしょうか。常に車窓から見えているものだけあって、有ると無いとでは印象がずいぶん変わるものです。まだパーツ点数が少ないのでバリエーションに乏しいのですが、合間を見て豊かな電線風景?を再現できるよう、これから更に作り込んでいきます。

踏切を新規製作しました

 唐突ですが、入院中でございます。入院というとネガティブなイメージではありますが、病室の窓からは大阪モノレールが見えて楽しく、また美人女医に囲まれた生活はナカナカのもの。空いた時間は持ち込んだノートパソコンでストラクチャデータの製作を進めています。 ファイル 4-1.jpg  さて、そんな環境で表題の通り、踏切のストラクチャを新規に製作しました。従来の踏切ストラクチャは、路線の元作者であるgaku氏が製作されたモノに少し手を加えさせていただいたものです(前回のセメント工場の画像を原寸表示していただくとよく見えると思います)。以前はこのくらいの作り込みで十分かと思われたのですが、リアル化した線路周りのクオリティにレベルを合わせる必要が出てきましたので、路線データ公開に向けたストラクチャの自作・置換の一環として新規に作り直しました。  主な課題はテクスチャの高解像度・写実化、そして座標によるできる限りの立体化です。動画内で路線の完成は早くて4年後・・・といったことを言いましたが、理想としてはその段階でも見劣りしないクオリティを現段階で作ってしまいたいと思っています。PCへの負荷についても、4年後の平均的スペックといえば現在のハイスペックゲームマシンくらいはあるでしょうし、BVE4には過負荷なストラクチャでもBVE5ならスムーズに描画してくれるのはコンバートしたタキを大量に並べて検証済みです。  ディスプレイのサイズ・解像度も24インチ、フルHD以上が普通の時代が遠からず来るでしょうから、その環境でプレイしても満足できるクオリティ・・・となるとそれなりのものが要求されるわけです。できることなら現在市販されている海外製3Dゲームくらいの品質に到達したいものですが、さすがに製作にかかる時間や技術、またBVE本体の描画エンジンの限界でソレは無理。ですが、そのくらいの「心意気」で製作に挑んでいます。 ファイル 4-2.jpg  なぜこのような前置きをしたかと言いますと、できあがったデータが巨大だからです。退院してから自宅PCで試さないとわかりませんが、たぶんBVE4なら視界に現れる瞬間にカクつくレベルじゃないだろうかと・・・。  ちなみに頂点数1238、CSVファイルの行数3246行、ファイル容量97.5KBです。いちばん容量を食っているのはやはり“丸いパーツ”。たとえば遮断機ポールの曲面分割数が10、警報器支柱は12、ランプのヒサシが15分割。自然なRに見せようと思うと、これくらいは必要になります。いよいよ CSVの限界かなぁ・・・3DCGソフトを勉強してX形式で作らないと、クオリティを維持するのはこの先しんどいかもしれません。 ファイル 4-3.jpg  テクスチャの面でも効率化とクオリティアップのためにいくつか工夫を凝らしています。データ製作に不慣れな頃は面ごとにテクスチャを用意して、一つのデータに対して膨大な枚数のテクスチャが発生していましたが、最近はできるだけ少なく纏めるよう心がけています。ひとつのパーツ群としてまとまったもの(例えば看板類を含めた警報器一式など)は、他ファイルへ流用したりTranslateで移動させることを念頭に、できるだけ一つの CreateMeshBuilderで完結させ、必要なテクスチャもひとまとめにします。ただし、遮断機など部分的に他のストラクチャへ流用する可能性があるものは独立したCreateMeshBuilder、テクスチャに分けることもあります。  今回の例では、路面部分で1枚、遮断機の機械部分で1枚、警報器支柱一式で1枚、汎用性の高い遮断機ポール1枚と、透過テクスチャ使用のため高解像度に分けた警報器の赤ランプの1枚、以上で5枚になりました。最初から計画を立てて、もう少し効率よく使えば1~2枚減らすことができますが、アレコレ考えながら作っていると収まらなくなって増えてしまうことも多々あります。  テクスチャ画像はほぼ写真ベースですが、テクスチャ同士の繋ぎになる部分などは後から描いているところもあります。また、BVEの動画エンジンでは影の自動生成がされませんので、意図してテクスチャにハイライトや影を描き込んでいます。方向的に日陰になる部分だけではなく、看板やステーなどの部品による互いの影も位置を微調整しながら描き込んでやると、かなりリアルな見た目になります。 ファイル 4-4.jpg  最後に路線データに配置してみて、周囲との色合いを馴染ませて完成です。病室に持ち込んだノートパソコンの液晶画面があまり発色の良くないものなので微調整は自宅に戻ってからになりますが、だいたいこんなもんじゃないでしょうか?  安全柵というか鉄製のフェンスがここには写っていませんが、踏切と道路の接続部を数パターン作る予定ですので、それらに角度や形を変えて作り込んで行くことにします。  話は少し変わりますが、安っぽい「CG臭さ」というのは、スパッと直線で仕切られたときに強く現れると考えています。前回の更新で線路際の雑草を生やしたのも、線路と周囲の風景が一直線に分けられて不自然だったからです。  今回の踏切では、路面のもっこりした凹凸感をテクスチャで、遮断器ポールの自重による垂れ下がりを座標で表現してみました。こうした「微妙に曲がったもの」があるだけで、とても自然な景色を作り出せます。もちろんその分座標が増えて動作が重くなりますが、BVE5の時代には問題なく動くようになっていることでしょう。本音を言えば保線状態の悪い、微妙にグニャグニャしたレールなんてのも再現したいものですが、アレをパソコンで再現できる時代はいつ頃来るでしょうか。

ユーティリティ

画像付記事一覧

検索

エントリー検索フォーム
キーワード