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タグ「ストラクチャ」の記事は以下のとおりです。

住宅の建築様式2

 前回に引き続き、今回もまた建物と地域性のお話です。「おいおい、鉄道の話は無いのかよ?」というお声もあろうとは思いますが、まぁそう言わずにお付き合い下さいませ。 ファイル 13-1.jpg  今回新たに追加したのは「本棟造」という様式の大柄な民家です。南信地方独自の建築様式ですので他の地域にお住いの方は見慣れないことと思いますが、信州をイメージさせる建築のため蕎麦屋の大型チェーン店などでこの様式、またはそれを模した造りをご覧になっているかもしれませんね。  おおまかな特徴としては左の画像のように平屋+屋根裏部屋、妻入り(妻側に入り口がある)で勾配の緩やかな切妻屋根、平側と妻側の長さが同じくらいか、むしろ妻側の方が長いなど。専門家や地元の方に言わせれば他にも細かい定義付けが諸説あるようですが、生憎こちらは余所者かつド素人。先に挙げた程度の特徴を持っているモノは亜流や末裔も含めて本棟造りにカテゴライズしてしまいましょう。  前回の記事で建築様式における格式の話をしましたが、この地域では例外的に本棟造りが最上級とされていたようです。中でも立派なものには“雀おどし”と呼ばれる棟飾りが設けられていますが、今回のストラクチャでは汎用性の高い、「ちょっと立派な農家」クラスに仕立てたかったので省略しています。屋根は建築当初は石を載せて押さえた板葺きだったものを、後から新建材で葺き替えたという設定で、それ以外は原型をよく保ったスタイルに仕上げました。 ファイル 13-2.jpg  もう1点、こちらは形状こそ似ているものの年代が下り、格式の点からも本棟造りに分類するのはチト無理があるような外観ですが、本棟造りの流れを汲んだ近代住宅と解釈して良いでしょうか。外壁は安っぽいトタンの腰板で、屋根周りの装飾を一切廃した実用重視の造り。窓配置から察するに、近代住宅とさほど相違ない間取り。屋根の角度が上のモノと比べて少し深いのは、最初から瓦葺きとした屋根重量を逃がすためと、屋根裏部屋の有効スペースを大きく取るためでしょう。元々屋根裏部屋は養蚕(絹糸の原料ね)産業に使用することが多かったのですが、それが衰退した後は部屋として、物置として使われるよう時代とともに変化しています。  ちなみに軒下に収納されている材木は、収穫した稲を干すときに組んで柱にする“ハザ木”。農村部で見かけた方も多いと思いますが、コレがあるということは稲作農家ということになります。 ファイル 13-3.jpg  七久保~伊那本郷間に配置していたストラクチャのうちいくつかを新作に置き換えました。種類が増えたことでより自然に、そして地域独自の建築様式を取り入れたことで、より伊那谷らしい風景に近付けたかな? と思います。  冒頭にもおことわりを書きましたが、運転シミュレータでは添え物にすぎない建物に大きな労力を割いているのは、ひとえにご当地感を演出するため。実際の路線に乗ったことが無い方がプレイされたとしても、「あぁ、いま自分は飯田線を運転しているんだな~」という気分が自然に湧いてくるような、そんな路線データに仕上げるための重要な要素の一つが建築様式なのです。  以前にも単線で列車密度が低い地方路線は風景無しで面白味を出すのが難しいと書きましたが、かといって何でもいいからと適当にあり合わせの風景を付けただけでは、どこの路線をプレイしても同じような感想しか抱けません。九州には九州の、北海道には北海道の、そして信州には信州の景色を付けてこそ、製作時間の増加やデータの重量化というデメリットを抱えてまで風景を付ける価値が出てくるのではないでしょうか。  また実在路線に限らず、BVE界の中で度々その是非が問われる架空路線にしても、そうした地域性の表現などができれば「いかにもありそうな」架空鉄道として、ある程度リアル派にも受け入れられるモノが出来るんじゃないかと思いますが、どうでしょうか?

住宅の建築様式

 これまでの区間に比べると住宅の多い小町屋~駒ヶ根間に風景を付けていると、やはり圧倒的にストラクチャが不足していることを痛感させられます。動画「その4」で紹介した数+そのバリエーション違いだけで自然な街並みを表現するのは不可能ですね。そもそも種類はあっても似通った色合いの物が数点あったり、バリエーション違いと言えば聞こえは良いものの、屋根の色が違うだけとか差し掛け屋根の有無だけとか、実のところ手を抜いて数だけ揃えたようなストラクチャも結構ありましたので、根本的に種類を増やす必要があると判断しました。 ファイル 12-1.jpg  切妻、入母屋造りのストラクチャはこれまでいくつか作ってきましたが、寄棟造りのモノは一棟もありませんでしたので新規に製作しました。この寄棟造りの住宅、実際に伊那谷へ行ってみると結構な比率で建っているのですが、これまでストラクチャを作っていなかったのは、産れも育ちも関西の私には普段から目にすることの少ない、馴染みの薄い様式だったからです。 ファイル 12-2.jpg  和建築の様式としては入母屋>切妻>寄棟の順で格式が高いとされていますが、機能的な違いとして、破風を持たない寄棟は通気性に劣るため、湿気の多い関西には適さないのかもしれません。逆に寒暖の差が激しい伊那谷には適していると言え、格式云々よりも適材適所といったところでしょうか。まぁ、関西は京都や奈良といった古都があるため格式を重んじるというか、見栄を張っている側面もあるとは思いますが? 真相はどうでしょう。  伊那谷は大田切を境に関東文化圏と関西文化圏に分かれるなんて言われますが、そう明白な境界線があるわけでは無いので周辺の建築様式にしても東西チャンポン、関西とほぼ同じ様式の入母屋、切妻の建物も多く、見られないのは虫籠窓や紅殻格子を持った町屋造りくらいでしょうか。というわけで、切妻の民家も新規に二種類製作しました。 ファイル 12-3.jpg 以前より使っていた切妻民家のストラクチャとは少しスタイルを変え、一階、二階の妻壁を面イチにして、間に差し掛け屋根を挟まない形態にしましたが、むしろこちらの方が一般的かもしれません。  純木造のイメージで作った過去作との差別化を図るため、外装にモルタルやトタンを使った、少し年代の下るモノに仕立ててみました。テクスチャのクオリティも過去作が新作ストラクチャに比べて陳腐化してきましたので、より写実的にしています。これまで使い回してばかりだった瓦のテクスチャも今回より一新し、全体的な質感の向上に概ね満足しています。 ファイル 12-4.jpg  既にお気付きのこととは思いますが、寄棟二点、切妻二点、それぞれcsvファイルの基本構造は同一で、テクスチャと小物類の配置、一部の寸法を変えて違いを出しているだけです。さすがに隣に並べて配置すればバレバレでしょうが、間に他の建物を挟むだけで同一形状とは分からなくなるくらい異なるイメージに仕上がっています。同じ形の建物が山ほどあるのは考えものですが、棟瓦や鬼瓦といった屋根周りの立体化に手間のかかる日本家屋は、ある程度csvデータの使い回しをしないと勿体ないですね。時には手抜きも必要です。  あとはもう少し複雑な形状の入母屋の民家数点と、90年代半ばとなれば輸入建材の近代住宅も建ち始めていますから、そういったモノもいくつか用意したいところですね。 ■リレーボックスの作り分け ファイル 12-5.jpg  話は変わりまして、踏切や信号機の近くに配置されているリレーボックス、いわゆる器具箱を数種類に作り分けました。これまでは「それっぽいもの」を汎用として配置していましたが、周辺ストラクチャの作り込みレベルやテクスチャ解像度が上がってくると、相対して違和感を感じるようになってきたので、キチンと作り分ける必要が出てきたのです。  飯田線に使用されているボックスはほとんどが遮熱板の付いたタイプですが、これは直射日光による庫内の温度上昇を避けるためと、積雪時の結露防止でしょうか。この構造は見る度に戦艦大和の副砲塔を連想してしまいます。それはそうと、この二重構造を実際に再現するか迷いましたが、結局タダの箱組みに隙間を黒く表現したテクスチャで簡単に仕上げました。あと2~3点、形状の違う物が必要なのですが、そのあたりは追々・・・。  リレーボックスにしろ先ほどの住宅にしろ、3DCGに限った話ではありませんが、こういった現実をベースにした創作物におけるリアリティは、全体のバランスがとても重要。一カ所だけを突出してリアルに再現すると逆に他の部分が安っぽく見えてしまい、結果的に全体の見栄えを低下させてしまうのです。また、リアルにすればするほど誤魔化しが効かなくなり、どこまでも細分化、作り込みをしなくてはならないスパイラルに陥ります。  例えば、ストラクチャが簡単な箱状のオブジェクトに解像度の低いテクスチャを貼り付けた「建物のようなモノ」であれば、住宅にも倉庫にも工場にも使うことが出来るわけですが、その箱ストラクチャに「明らかに住宅に見える」鮮明なテクスチャを貼ることで、それは住宅にしか使えなくなってしまい、更にその住宅が木造であると判別できるなら、木造の住宅としてしか使えなくなります。ということは、住宅、商店、工場といった建物の種類の違い、そしてそれぞれに木造、土壁、モルタル、コンクリートなど建材の違い、更にそれぞれ色や建てられた年代の違いなど、各々数パターンを用意するとなれば、必要なストラクチャの数はネズミ算式に増えてしまうわけですね。  現実的に考えて沿線風景の全てをそのままリアルに作るのは不可能ですが、少なくとも「嘘を嘘と感じさせない」程度のリアリティを持たせるなら、画面一瞬の中に同じ建物が二つと無いくらい豊富な種類のストラクチャを用意する、それくらいの勢いで製作に挑む必要がありそうです。 ■駒ヶ根駅周辺 ファイル 12-6.jpg  最後に駒ヶ根の進捗状況をご報告。前回の画像と比較すれば、旧伊那電支社ビルやアンテナ鉄塔から位置関係がお分かりいただけると思いますが、駒ヶ根駅へのアプローチがそれらしくなってきました。これまでほとんど見られなかったビル建築がチラホラと出現して、一気に賑やかな感じになりました。  ストラクチャは専用品と汎用品が五分五分といったところで、駅に近付くほど専用品の割合が増えています。先述の踏切器具箱も早速配置してみましたが、やはり専用品を作ると説得力が増しますね。ちなみに右手のカマボコ屋根の建物は建て替えられて現存せず、今はJAの「虹のホール」という立派な施設になっています。地方の農協は強いなぁ・・・。  細々ながらも日々ストラクチャを増産したおかげで遠目にはなんとか市街地らしくなってきましたが、それでも汎用品を用いた前方左側の商店街が実際のイメージと違いすぎていることや、駅前ロータリーの再現は未着手であるなど、完成と言えるまでには程遠い状態です。今月末には詳細な画像をお見せできるくらいになっていれば・・・と思っていますが、テクスチャの材料が根本的に不足しているところもあるので微妙ですね。作り込めば作り込むほど伊那谷へ再取材に行きたくなりますが、万年金欠病の私としては18きっぷシーズンを待たざるを得ないのが悲しいところです。

8番分岐器 その後

ファイル 6-1.jpg  2月更新の当記事でリニューアルの予定をお知らせしていたポイントのストラクチャですが、ようやく最初の1本が一応の完成となりました。といっても資料集めと寸法の検討、そして気合いの充電に時間がかかっただけで、実質的な製作時間は頂点打ちで1日、テクスチャの製作と位置の微調整で2日の、合計3日間です。  前回アップしたIllustratorの図面では曲線側のリードレールが全て曲線になっていましたが、実物の写真をよく見るとフログ側にわずかな直線が挿入されているようですので、あれから少し改良しました。結果としてリード半径は110m、かなりの急曲線ですが1067mmの8番ならこんなもんでしょう(というか、どう計算してもこれくらいの数値にしかなりません)。 ファイル 6-2.jpg  実は単純にリード半径を比較すると以前のストラクチャの方が少し緩いのですが(そりゃ全長に渡って曲リードだもの)、今回の方がカーブを描いている部分の長さが圧倒的に短いので、分岐角はずいぶんと緩やか。見た目にも明らかにゆったりしています。複線間隔を5mから3.8mに変更したのは以前書いたとおりですが、以前は制限25以下で走行しても車体が左右に大きく振られる感じに違和感を覚えましたが、今回のは「そうそう、こんな感じ。」と、納得のいく走行感です。複線間隔が変わっても、レール2本分の50mで渡り切るのは同じですから、そのぶん曲線が緩やかになるのは当然ですが、実際にデータを作り直して運転してみると、そのあまりの違いに驚くほどです。 ファイル 6-3.jpg  BVE用のレールは断面が実物の“工”型とは違い、たいていが“□”型に省略したモノです。私もこの作り方を踏襲していますし、“工”型にしたところで手間と消費リソースほどの効果があるとは思えません。しかし、分岐器のトングレールの表現には悩まされました。“□”型のままトング先端を細らせると、ペラペラの厚みのないレールが出来てしまい、正面から見ると不自然きわまりないのです。かといってトング先端の断面形状を正確に表現しようと思うと、自ずとレール断面を“工”型にする必要が出てくるから困りものです。しかもトングレールだけをリアルにしたところで、リードレールとの接続部に違和感が出るだけですし、ハテサテどうしたものか・・・。  色々試行錯誤した結果、画像のようにトングの先端に行くに従って形状が“□”から複雑に変化するようにしてみました。今回、特に立体化した部分とテクスチャのみで表現した部分の差が極力目立たないよう注力しましたので分かりにくくなっていますが、トング先端の少し色が明るい部分が断面、ちょうど簡略化した椅子のような形状になっています。実物の形とはまた少し違うのですが、最低限の頂点数でそれらしく違和感なく見える妥協点だと思います。後から気になるようであれば、断面部分だけ専用のテクスチャを貼り付ければ更にリアルに見せることができるでしょう。 ファイル 6-4.jpg  さっそく完成したポイントを七久保構内に配置してみました。複線間隔が狭まったことと渡り線の中間部が直線になったことで随分と見栄えが良くなりましたね。貨物扱いをしていた駅ですから、スプリングポイントではなく電気転轍機だと思っていたのですが、現地取材をしたところ手動だったのでした。転轍レバーは別体のストラクチャで作っていますので、必要に応じて電動にすることも可能です。  前方、逆向きに進入するものはまだテクスチャができていないため素っ裸。というかテクスチャの材料が不足しているので、退院後に良い角度で撮影できる分岐器を探し歩かなくてはなりません。それから、作業測線側のレールは表面の錆びたモノに代えなくてはなりませんが、これもまだです。ただし、こういった差し替えを想定して直線側と分岐側のレールを別々のCreateMeshBuilderで作っているので、基本的には一方のテクスチャ画像の指定を変えるだけでOKなのです。 ファイル 6-5.jpg  前々から「いつかはやらねば」と気が重くなっていた分岐器のリニューアルがようやく形になってホッとしているところですが、まだまだ課題山積です。まず上に書いた反対側から見たテクスチャを作らなくてはなりません。凹凸感や影の都合で同じモノを反転させるわけにはいかないのです。また、同じく影の都合で左開きのものも別にテクスチャを用意しなくてはいけません(これは右開きのを明暗調整すれば誤魔化しが効く・・か?)。更に開通方向によってトング部のテクスチャをそれぞれ用意しないと、トングレールと床板の兼ね合いがおかしくなってしまいます。あぁ・・・、あと何枚テクスチャ要るんだろ? もっと言えば伊那本郷の10番分岐器はどうしよう?(当面は8番で誤魔化そう←でも制限35だと違和感あるのよ)とか、そういやどっかにYポイントやらカーブポイントやらあったなぁ・・・とか、エトセトラエトセトラ。  割り切ってしまえば全てのポイントをリアルにする必要も無いとは思うんです。例えば今回作ったものは駅に停車中、ずっと前方に見えているのでじっくり見られる時間が長いわけですが、逆に場内に進入するときのポイントなんて、停車のことで頭がいっぱいになって見てない、なんてこともあるわけですね。とはいえ、ハッキリ見えなくても「なんかゴチャゴチャしてる」からリアルに見える、というのもこれまでに経験済みなわけでして、後から「あ~、最初からちゃんと作っときゃ良かった」なんて思うのも嫌なので、ここはもう少し頑張って数パターン作ることにします。

踏切を新規製作しました

 唐突ですが、入院中でございます。入院というとネガティブなイメージではありますが、病室の窓からは大阪モノレールが見えて楽しく、また美人女医に囲まれた生活はナカナカのもの。空いた時間は持ち込んだノートパソコンでストラクチャデータの製作を進めています。 ファイル 4-1.jpg  さて、そんな環境で表題の通り、踏切のストラクチャを新規に製作しました。従来の踏切ストラクチャは、路線の元作者であるgaku氏が製作されたモノに少し手を加えさせていただいたものです(前回のセメント工場の画像を原寸表示していただくとよく見えると思います)。以前はこのくらいの作り込みで十分かと思われたのですが、リアル化した線路周りのクオリティにレベルを合わせる必要が出てきましたので、路線データ公開に向けたストラクチャの自作・置換の一環として新規に作り直しました。  主な課題はテクスチャの高解像度・写実化、そして座標によるできる限りの立体化です。動画内で路線の完成は早くて4年後・・・といったことを言いましたが、理想としてはその段階でも見劣りしないクオリティを現段階で作ってしまいたいと思っています。PCへの負荷についても、4年後の平均的スペックといえば現在のハイスペックゲームマシンくらいはあるでしょうし、BVE4には過負荷なストラクチャでもBVE5ならスムーズに描画してくれるのはコンバートしたタキを大量に並べて検証済みです。  ディスプレイのサイズ・解像度も24インチ、フルHD以上が普通の時代が遠からず来るでしょうから、その環境でプレイしても満足できるクオリティ・・・となるとそれなりのものが要求されるわけです。できることなら現在市販されている海外製3Dゲームくらいの品質に到達したいものですが、さすがに製作にかかる時間や技術、またBVE本体の描画エンジンの限界でソレは無理。ですが、そのくらいの「心意気」で製作に挑んでいます。 ファイル 4-2.jpg  なぜこのような前置きをしたかと言いますと、できあがったデータが巨大だからです。退院してから自宅PCで試さないとわかりませんが、たぶんBVE4なら視界に現れる瞬間にカクつくレベルじゃないだろうかと・・・。  ちなみに頂点数1238、CSVファイルの行数3246行、ファイル容量97.5KBです。いちばん容量を食っているのはやはり“丸いパーツ”。たとえば遮断機ポールの曲面分割数が10、警報器支柱は12、ランプのヒサシが15分割。自然なRに見せようと思うと、これくらいは必要になります。いよいよ CSVの限界かなぁ・・・3DCGソフトを勉強してX形式で作らないと、クオリティを維持するのはこの先しんどいかもしれません。 ファイル 4-3.jpg  テクスチャの面でも効率化とクオリティアップのためにいくつか工夫を凝らしています。データ製作に不慣れな頃は面ごとにテクスチャを用意して、一つのデータに対して膨大な枚数のテクスチャが発生していましたが、最近はできるだけ少なく纏めるよう心がけています。ひとつのパーツ群としてまとまったもの(例えば看板類を含めた警報器一式など)は、他ファイルへ流用したりTranslateで移動させることを念頭に、できるだけ一つの CreateMeshBuilderで完結させ、必要なテクスチャもひとまとめにします。ただし、遮断機など部分的に他のストラクチャへ流用する可能性があるものは独立したCreateMeshBuilder、テクスチャに分けることもあります。  今回の例では、路面部分で1枚、遮断機の機械部分で1枚、警報器支柱一式で1枚、汎用性の高い遮断機ポール1枚と、透過テクスチャ使用のため高解像度に分けた警報器の赤ランプの1枚、以上で5枚になりました。最初から計画を立てて、もう少し効率よく使えば1~2枚減らすことができますが、アレコレ考えながら作っていると収まらなくなって増えてしまうことも多々あります。  テクスチャ画像はほぼ写真ベースですが、テクスチャ同士の繋ぎになる部分などは後から描いているところもあります。また、BVEの動画エンジンでは影の自動生成がされませんので、意図してテクスチャにハイライトや影を描き込んでいます。方向的に日陰になる部分だけではなく、看板やステーなどの部品による互いの影も位置を微調整しながら描き込んでやると、かなりリアルな見た目になります。 ファイル 4-4.jpg  最後に路線データに配置してみて、周囲との色合いを馴染ませて完成です。病室に持ち込んだノートパソコンの液晶画面があまり発色の良くないものなので微調整は自宅に戻ってからになりますが、だいたいこんなもんじゃないでしょうか?  安全柵というか鉄製のフェンスがここには写っていませんが、踏切と道路の接続部を数パターン作る予定ですので、それらに角度や形を変えて作り込んで行くことにします。  話は少し変わりますが、安っぽい「CG臭さ」というのは、スパッと直線で仕切られたときに強く現れると考えています。前回の更新で線路際の雑草を生やしたのも、線路と周囲の風景が一直線に分けられて不自然だったからです。  今回の踏切では、路面のもっこりした凹凸感をテクスチャで、遮断器ポールの自重による垂れ下がりを座標で表現してみました。こうした「微妙に曲がったもの」があるだけで、とても自然な景色を作り出せます。もちろんその分座標が増えて動作が重くなりますが、BVE5の時代には問題なく動くようになっていることでしょう。本音を言えば保線状態の悪い、微妙にグニャグニャしたレールなんてのも再現したいものですが、アレをパソコンで再現できる時代はいつ頃来るでしょうか。

119系 車内オブジェクト

ファイル 2-1.jpg  公開直後は荒れ気味だった前回の動画も日を追う毎に落ち着き、建設的なコメントが増えて嬉しい限りです。さて、反響の多かった車内オブジェクトですが「どうやって作るの?」といったコメントもいくつかありましたので、少しばかり解説を・・・といきたいところですが、「何でもかんでも気合いで立体化する」としか言えないので・・・頑張ってください?  BVEのみならずMSTSなんかもですが、CGゲーム化された列車内の安っぽさというか嘘っぽさというか、アレは「厚みの無さ」に起因することがほとんど。例えば壁面に装着された上着や帽子をかけるフック。何もなければあまりに寂しい→とはいえ壁面のテクスチャに書き込むだけでは嘘が過ぎ・・・→なら透過テクスチャを使った板オブジェクトで再現したら・・・なんか見る角度によってペラペラ感が・・・→やっぱり行き着くところは立体化です。  しかし模型でもCGでも同じことですが、自分で作ってみると色々なことに気付かされて面白いのです。「ここのラインとここのラインは並行で、こっちのラインの延長上と直角になるのかぁ~」てな具合に、国鉄時代のの量産車であっても意図してデザインされているのが読み取れます。ちょっとでもそれが狂うとカッコワルイのなんのって、侮り難し昭和の工業デザイン!  データ製作にあたって「抜ける手」はとことん抜いています。窓や座席など同じ形のモノが複数個必要なオブジェクトは、1つ作ってrotateや translateで移動させたり、ミラー反転させたりしました。構文を見ると結構“やっつけ仕事”でゴリ押ししている箇所もありますが、Openbve でしか使えない車内オブジェクトはあくまで「オマケ」のお遊びですので、あまり時間もかけてられません。  また、20mの車内すべてを再現しているわけではなく、動画で見えていた範囲しか作っていません。「乗客となって車窓をボ~ッと眺める」だけが目的のデータですので、外板も貼っていませんし、各部の寸法も実は適当です。  そもそも、既に車内のCSVデータ量が400KBを超えているので、このまま1両作れば1MBを軽く超えることになり、現状でもフレームレートの落ち込みに限界を感じているくらいなのに動かなくなってしまいそうです。テクスチャはPNGですが解像度が高いため合計20MBを超えており、仮に配布するにもひと苦労・・・といったところですね。  そうそう、その配布。動画のコメントでも車内データが欲しい、というのをいくつかいただきました。暴走動画に使うとかじゃなければ好きなように使ってもらって構いませんし、昭和の国鉄車両を再現するなら流用できるパーツが色々あるとは思いますが、中途半端な状態では出したくありませんので、扇風機のディテールをはじめ作り残しているところが完成してからにさせていただきます。更新の都度バージョンアップ版を配布するといった手間をかける余裕もありませんので、何卒ご容赦を!  実はこの冬の「青春18きっぷ」でまた2回飯田線を訪問しました。その時に車内の細部もあらためて200枚ほど撮影しましたので、もっとリアルに再現できる予定です。  動画の方では画質に限界もありますので、こちらも高解像度のスクリーンショットを並べておきます。また、ワイヤフレーム表示にしたものも後半に掲載しましたので、作り方の参考にどうぞ。 ファイル 2-2.jpgファイル 2-3.jpgファイル 2-4.jpg ファイル 2-5.jpgファイル 2-6.jpgファイル 2-7.jpg ファイル 2-8.jpg  ファイル 2-9.jpg (一部画像で乗務員室仕切りなど透過されないはずの場所が透過されていますが、ObjectViewerの誤描画です)

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