駒ヶ根駅構内配線
まずは2010年4月の記事に掲載した画像です。両開き分岐器のストラクチャが無いため片開きで代用、そのせいで構内の配線、島式ホームの形状が異なってしまっていました。 あの記事では端折りましたが、実は4両分の島式ホームが入る複線間隔を作るため、構内全体が本来の長さより25m長くなっているという大きな問題もありました。つまり、凝った風景を付けたところで、基準となる線路に誤りがあれば、実際の景色とはまったく違うものになってしまう可能性がある・・・というお話です。 伊那大島での必要に迫られて制作した両開き分岐器を流用し、ようやく駒ヶ根構内の配線が現実に即したものになりました。島式ホームの2・3番線を分ける分岐器と、更に奥の電留線を分ける分岐器の2カ所が両開きとなっており、限られたスペースで最大限の有効長、複線間隔を確保しています。 手前方向に伸びる旧貨物側線は、線路図には書き込まれていませんでしたので、もう機能していないのかな?とも思いましたが、現地で撮影した写真をよく見てみると、電動転轍機が確認できましたので、安全側線として機能しているものと思われます。 手持ちの線路図は100m単位の大雑把なもので、分岐器の種別や側線の配線までは記されていません。ですので現地取材と航空写真が主な資料となりますが、完璧・・・とは言えないまでも、現地に詳しい方が運転して、違和感を感じない程度には再現できたと思います。 細かいところをつつけば、BVE本体が25m刻みである制約や、汎用のレールストラクチャを並べている限界で、レールの繋ぎに無理があるところもありますが、運転台からの視点だと気にならないレベルなので、ヨシとしましょう。 弓状というか・・・、「柿の種」のようなホームですが、データを作ってみると「よくぞこのスペースに4両分を確保したものだ」と感心します。ホント無理矢理。 飯田線の駅はシンプルな配線が多く、その点では楽をさせてもらっていますが、駒ヶ根は辰野、飯田に次いで複雑な配線を持つ駅です(機関区を含めれば伊那松島も難題ですが、駅自体は極めてシンプル)。 25m単位だけでは変則的な配線を再現しきれませんので、自線以外のほとんどは“freeobj”でレールを並べていますが、それらしく見えるまでは数日の試行錯誤が必要でした。この程度の規模でそれだけの時間を要しているのだから、幹線のターミナル駅を再現されている作者の方は、どれだけの手間暇をかけていらっしゃるのか・・・、考えると頭が下がる思いです。 配線と大まかなストラクチャの配置は完了しましたので、ここから雰囲気を盛り上げるための小物の製作に取りかかります。ベンチやゴミ箱などの備品も必要ですが、基幹駅だけに標識や設備類がやたらと多く、仕上げにはまだまだ時間がかかりそうです。