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タグ「119系」の記事は以下のとおりです。

PS23 パンタグラフ 1

 久々に車両ストラクチャのお話です。しばらく放置していた119系ですが、そろそろ進めないとなぁ・・・ということで、台車に引き続き面倒な部分の製作です。  「119系ストラクチャを作る」では仮のパンタグラフを載せていましたが、あれは“cylinder”構文をメインに用い、PS16型を模した作りになっていました。飯田線の119系には狭小限界用に改良されたPS23型が搭載されていましたが、パーツとしての汎用性を重視してPS16を作ろうか・・・と考えていたのです。  しかし、PS16とPS23、実物の写真をじっくり比較してみるとかなりの違いが明らかになり、119系にPS16を載せるのは抵抗を感じるようになってしまいました。 ファイル 49-1.jpg  画像上段がPS16、下段がPS23です。集電舟の形状は各々バリエーションがあるので端折るとして、PS16に比べPS23は主軸の位置が低く、イコライザーの設置位置が台枠内から台枠外へ・・・、そしてなによりPS16では突き合さるように接合された上枠と下枠が、PS23では互い違いになるよう接合されているのが最大の特徴です。  もうひとつ写真から読み取れる違いとして、PS16には集電舟下に片側4本1組の復元バネがありますが、スプリングの無いPS23がどうやって架線への追従性を保持しているのか、私の知識不足で分かりません。  ちなみに後発のPS24(PS23同様、上枠・下枠が互い違いに配された狭小限界用・・・中央線の201系など)には、PS16同様のスプリングが見られます。はてはて? ファイル 49-2.jpg  一部構造に理解できないところがあるのでスッキリしませんが、とりあえず解る範囲でモデリングしました。集電舟下部を除けば、上半身の造形が一応完了したところです。  "cylinder"構文が全て悪いわけでは無いのですが、やはりパーツ数が多くなると"translate"や"rotate"が山盛りになって、スマートとは言えません。先日製作したDT33台車同様、パーツとして完結させたいので、頂点を手打ちして“CreateMeshBuilder”ひとつにまとめました。  枠は六角断面としましたが、これをX/Yの両軸でナナメに傾けて設置しなくてはならないので、座標の計算が非常に面倒。というか、計算は苦手なので、先に簡単な図面を起こして、あとは作りながら微調整しましたが、こういう作業はモデリングソフトの方が効率よく作業できそうですね。  しかし、3Dモデリングソフトなんて、15年近く前にちょろっと触っただけで、今となっては使えるソフトもありません。今更勉強し直すのも面倒だなぁ・・・と、二の足を踏んでいます。 ファイル 49-3.jpg  上面、前面から見ると、互い違いに組まれた上枠/下枠の位置関係がわかりやすいですね。とはいえ、図面はおろか、真上から見下ろした写真も手持ちがありませんので、正確かどうかは自信ありません。自信が無いついでに、全体の寸法も、見つけた資料は碍子間距離だけで、あとは写真からトレースした自前の図面から読んだ数値ですので、あんまりアテにはなりませんね。まぁ、BVEストラクチャとしては、「だいたい」雰囲気が掴めていればOKでしょう。  お次は下半身、台枠部分の製作ですね。PS16なら台枠・碍子・バネを簡単に作れば完成かと思いますが、PS23の場合は先述のイコライザが台枠外に露出しているので省略するわけにもいかず、もう少し手がかかりそうです。そのあたりはまた次回に・・・。

119系前面立体化

 前面のジャンパ栓や配管を中心に精密化した119系ストラクチャですが、前回の記事中にも書きましたように、斜めから撮影した従来のテクスチャ画像では、ライト類や幌枠などの突起物が、見る角度によっては妙な見え方になってしまうため、今回はそのあたりを修正していきます。 ファイル 37-1.jpg  まず最初に、実車を真正面から撮影した画像を元に、前面テクスチャを作り直しました。「特定の角度から見た時だけベストに見えるモノ」から、「どの角度から見てもソレナリに見えるモノ」への変更で、進展なんだか後退なんだか・・・。おかげで角度を変えて見ても、明らかに違和感を感じるような箇所はありませんが、斜めから見た時のノッペリ感や、ライトの「余所見してる」ような感じは否めません。 ファイル 37-2.jpg  これ以上の立体感をテクスチャだけで得るのは不可能ですので、次はパーツを立体化していきます。とりあえずライトから手を付けましたが、いきなり頂点打ちを始めるのではなく、調整が簡単な"cylinder"構文を使って位置やサイズ、曲面分割数などを検討します。ライトは実物をよく見るとタダの円筒ではなく、テーパーがかかっていることが多く、多少のデフォルメを加えつつ、それらしく見える寸法を割り出します。 ファイル 37-3.jpg  程良いバランスが決まれば、次は地道に頂点打ちです。今回は『理想の角度から撮ったテクスチャ画像に劣らぬ立体ストラクチャ』とは、どの程度の精密さを要求されるのか? ということの研究を兼ね、円筒部の分割数は20角形と贅沢な仕様にしました。テールライトは16角でも良さそうだったのですが、構文を使い回すために、こちらも20角形で・・・。  ライトというモノは思いのほか複雑な形状をしており、ただの円筒にライトの絵を貼り付けただけでは、それらしく見えてくれません。透明レンズであるヘッドライトは、内部の反射鏡を意識した凹形状に、濃い色付きレンズであるテールライトは、レンズの凸形状をそのまま再現し、各方向から見ても違和感が出ないようにしています。 ファイル 37-4.jpg  最後にそれぞれテクスチャを貼って完成です。これで正面はもとより、右から見ても左から見ても違和感のない、立体的なライトを再現することができました。  ライト1個あたりの頂点数が120。これだけの手間とPCへの負荷かけてまで立体化する必要があるのかどうか、いっそ板ストラクチャで良いのではないか? 想定する画面解像度やPCスペック、車両の使用方法などをよく考えてから作業にかからないと、「たいして効果もないのに重いだけ」のデータに時間を費やすことになってしまいます。 ファイル 37-5.jpg  ライトの立体化だけではペッタンコ感が否めないので、幌枠、貫通路の渡り板、ステップを立体化しました。渡り板の固定が甘く、ちょっと斜めに倒れているのがツボです。ヒンジの部分はテクスチャだけでは立体的に見えませんでしたので、簡単に別パーツで立体化。  各パーツのテクスチャ作りは、簡単なように見えて意外と繊細で、立体化部分が浮いて見えないように微調整を繰り返しました。例えば幌枠の側面ですが、陰影はもとより、窓周りの黒や帯色が照り返してわずかに色を落としているところなど、単色で仕上げてしまっては違和感が出てしまいます。「別パーツなのに、パッと見では1枚の画像に見える」のが目標ですが、それがナカナカ難しい・・・。  大まかなパーツを全て立体化したことにより、どの角度から見ても自然に見えるようになりましたが、それでも手すり類の立体感や方向幕の奥行き感など、一定の角度から撮影した画像1枚よりも、表情に劣るところがチラホラあります。とはいえ、これ以上はキリがありませんので、全方位対応とのトレードと割り切るべきでしょう。まぁ、全体が完成してからポリゴン数に余裕があるようでしたら、手すり類も作ってみましょうか。 ファイル 37-6.jpg  幕とライトの画像を差し替えて、対向列車用のストラクチャも仕立ててみました。車体のテクスチャを、錆や汚れ具合の違うものをベースにすれば、より臨場感が出るでしょうか。  ヘッドライトは光線の表現ができない以上、このくらいで精一杯です。停車中に減光してるのってこんな感じかな? ちなみに、点灯時のヘッドライトは反射鏡がほとんど見えませんので、テールライトと同様、レンズの凸型形状に座標を打ち変えています。  長くなりましたが、これでようやく前面に関しては完成と言えそうです。次は途中放棄したままの右側床下機器と、パンタまわりの製作ですね。全く手を付けていないクハですが、こちらは前面ディテールなどはバッサリ省略して、後追いの視点で見える部分だけに注力しようかと思います。

119系ストラクチャを作る

ファイル 32-1.jpg  実はここ数日、建物系ストラクチャの製作に飽きていまして、スクリーンショットを撮る以外には使っていなかったOpenBVEを何気なく起動し、外部視点で自動運転をボ~ッと眺めたりしていたのですが、意外やコレが面白い。“全周からの視点を考慮せず作られたBVEの路線を外から眺めてもなぁ・・・”とか思っていたのですが、カメラ配置を工夫すればそれなりに見られる角度もあり、特に風景が充実している部分は、ちょっとニヤニヤしてしまいます。  当然ながらメインは運転で、OpenBVEの独自機能はあくまで副産物、というスタンスを変える気はありませんが、せっかくなので精密に造り込んだ車輌があればもっと楽しいかな?というわけで、路線データそっちのけで119系ストラクチャを造っておりました。 ファイル 32-2.jpg  まぁ、ずっとRONさんの借り物ってのもどうかと思いますし、飯田線の主人公たる119系くらいは、自作してバチはあたらないでしょう。  するがシャトル転出組はAU75系集中クーラーを搭載していましたが、今回は後にインバータークーラーを載せたグループにしてみました。屋上がゴチャゴチャしていて、個人的にはコチラの方が好みなのです。特に先頭部の大型ベンチレーターがツボ。  テクスチャは以前からの使い回しで仮のものです。時代設定的にワンマン化以前ですので、原型車の画像を使用します。 ファイル 32-3.jpg  以前製作したDT33も、ようやく日の目を浴びる機会が来たというものです。実はまだこちらの面しか床下機器が出来ていないので、同じ向きの画像ばかりです。  クモハの床下は巨大な抵抗器が物々しくて格好良いですね。兄貴分の105系もほぼ同様の配置ですが、抑速ブレーキに対応させるため、119系の方がより大型なのです。 ファイル 32-4.jpg  スカートの無い前面床下を引き締めるため、連結器やジャンパ類、排障器をそれなりに再現、でもまだ途中なのです。CSVデータの座標打ちも随分と慣れましたが、それでも曲がったものを作るのは大変で、正面右端のジャンパ管だけで一晩潰してしまいました。  あとジャンパ栓がもう一つと排障器ステー、配管類の見えるところだけ作れば頭部は完成です。 ファイル 32-5.jpg  車体の作り方はRONさんのデータを参考にさせていただきつつ、曲面分割数の細分化と自分なりの解釈、作り方を盛り込んで試行錯誤しています。やっぱりオデコの部分を作るのが難しいというか、面倒ですね。  ワイヤフレーム表示でご覧の通り、床下機器は意外とシンプルで、ほとんどがテクスチャのお仕事です。通気部を奥まらせたベンチレーターや、厚みを付けた乗務員ステップなど、多めに頂点を消費しているオブジェクトもいくつかありますが、やっぱり頂点数のほとんどは台車に・・・。次の形式を作る時は、もっと少ない頂点で同程度の見栄えを維持できるよう工夫してみます。 ファイル 32-6.jpg  クモハもまだ途中ですので、クハは手つかず。相変わらず借り物のままです。クハの床下は一枚板に解像度の低いテクスチャを貼ってあるだけですが、これくらいのサイズの画像では、大きな違いは感じられませんね。自己満足にしかならないのかなぁ・・・。  ちなみにパンタまわりは未だ試行錯誤中。テキストがゴチャゴチャになるので、できるだけcylinder構文は使いたくなかったのですが、さすがにパンタグラフのアームはコレに頼らないと無理でした。“cylinder”や“cube”構文を“rotate”“translate”で位置合わせした結果の座標を“AddVertex”に変換してくれるソフトが欲しいなぁ・・・なんて。 ファイル 32-7.jpg  アレコレ作り込んだのでクソ重いデータになっているんじゃ・・・?というのが心配どころですが、とりあえずOpenBVEで見る限りは特に問題なしで一安心。画像中の下あたり“rendaer”の最初の項目“static opaque faces”が画面内に描画中のポリゴン数で、だいたい視界を広くすると8000~10000ポリゴンを処理していましたが、フレームレートは画像最上部にあるように、60fpsを維持しています。  これはOpenGLの描画能力ですから、Direct3Dでどうなるかはやってみないと分かりませんが、今時の(3Dゲーム用PCとして)ミドルクラスのパソコンなら、これくらいのポリゴン数は問題にならないでしょう。ストラクチャが全て完成したら、X形式に変換してBVE5でも描画テストをやってみることにします。 ファイル 32-8.jpg  私が元々模型テツの人間だから・・・というのもありそうですが、なかなか面白いOpenBVEの外部視点。しかし、最初はただ遊んでいるだけのつもりでしたが、風景全体を見渡すことができるため、色彩のバランスが周囲と合っていない建物を見つけたり、改変を繰り返しているからか、見えないところに置き忘れたストラクチャを発見したり、周囲の新作と比べると作り込みの甘いストラクチャを見つけたり・・・などなど、普段は気付かなかった問題が多々露見してきました。たまには客観的に、視野を広く取って眺めることも大切ですね。 ファイル 32-9.jpg  実は、普段から路線を製作する時は、どのタイミングで切り取っても一枚の絵になるような、そんなデータになるよう心掛けているのですが(心掛けだけですが)、OpenBVEをメインに使っていらっしゃる方だと、より顕著にそういう方向に進みそうですね。  119系のストラクチャが完成して、路線の作り込みがもう少し進めば、以前「動画その2」でやったようなPV的な動画をまた作ってみようか、なんて思っています。数ある鉄道系ソフトの中でBVEの出来の良さは格別だと思っているのですが、対応OSの問題もさることながら、見た目の地味さで敬遠される方が多いのは非常に残念です。  無理にユーザーを増やして収拾が付かなくなるのも良くありませんが、やはりプレイヤーが多いと作者としても気が入りますし、またそうしたプレイヤーの一部が作者になっていけば、こちらも将来的に色んな路線で楽しませていただけるわけです。「結局自分のためかよ!」ってなワケですが、拙作の動画でBVEに興味を持って下さる方が少しでもいらっしゃれば、それは嬉しいことですね。

DT33完成しました

ファイル 19-1.jpg  細部の調整に手間取りましたが、ようやくDT33が完成しました。前回のスクリーンショットを自分で見直しながら「なんだかDT33というよりDT21 に見えるような・・・?」と悩んでいたのですが、どうやら枕バネがひとまわり大きかったようで、そのせいで全体が寸足らずに見えていたようです。大きいと言ってもほんの数センチの誤差なのですが、それが与える印象の違いにビックリしつつ修正しました。車輪、車軸、歯車箱も新たに作り込みましたが、ほとんど見えないであろうモーターは省略しました。 ファイル 19-2.jpg  端梁の無い台車は前から見ると少し間が抜けて見えるので好きではなかったのですが、車輪の踏面にもテクスチャを貼りましたので、少しは引き締まって見えますね。さらに排障器やジャンパ栓を作り込めば、より精悍に見えるでしょうか。  台車以外は相変わらずRON'S BVEさん製作のストラクチャをベースに、テクスチャを貼り替えて使用させていただいております。お陰様で楽をさせていただき、そのぶん路線データの製作に専念できていたのですが、実車への思い入れが強くなってきたことと、車両ストラクチャで技術的に試してみたいことが色々出てきましたので、いずれ自作に置き換えてみようと思います。  良い気分転換になったので、しばらくは路線データの製作に戻ろうと思いますが、合間をみてクハ用のDT21T、それから169系用にDT32/TR69 を作る予定です。精密化のノウハウはある程度蓄積されましたので、次回はより少ない頂点数で再現できるよう探ってみます。  DT33台車はフリーストラクチャとしてアップしています。以前アップしたタキ45000と一緒に、別コーナーとして独立させましたので、上部タイトルバナー下のメニューからどうぞ。添付のreadmeを最後までお読みになり、用法・用量を守って正しくお使いください?

DT33を本気で作ってみた

ファイル 18-1.jpg  鬱陶しい天気が続いていますが、梅雨の合間の曇り日こそ写真撮影に出掛けましょう。「天気が悪いのに写真?」と思われるかもしれませんが、テクスチャ素材を撮るには日光による影が出来にくい曇天日が最適です。特にフィルムカメラに比べてダイナミックレンジの狭いデジタルカメラは「白飛び・黒潰れ」が発生しやすいので、コントラストが低くなる曇天時の方がディテールを欠くことなく撮影できます。  退院して間もないため飯田方面への遠征取材は体力的にできませんが、近場で調達できるモノもありますから、できる範囲で撮り歩いています。先日は119 系電車と装備が近しい105系を撮影するため和歌山線へ行ってきました。メインは台車と床下機器の資料集めだったのですが、晴れの日なら影で真っ黒に潰れてしまう床下も、曇天のおかげで鮮明に撮影できました。  車体には見向きもせずに足回りばかり撮っている私が不審だったのでしょう、待機中の運転士さんが「何撮ってはりますのん?」と話しかけてこられました。幸い気さくな方でしばし国鉄車談義にお付き合いいただきましたが、「和歌山はゴミ箱みたいなモンですわ」とのお言葉には笑ってしまいました。しかし「私らにはアナログで運転しやすいですよ、まだまだ使えます」とも。日常的に利用する立場なら綺麗な新車も嬉しいのですが、味のある国鉄車も末永く頑張ってもらいたいものですね。  停車中の電車は片側の床下がホームで隠れて見えませんので、一駅だけでは素材が集まらず、和歌山、橋本、五条と渡り歩いて約500枚。台車と床下機器ばかり、角度を変え露出を変えこれでもかと撮りましたが、それでも帰宅して整理していると「なんでココが鮮明に写ってる画像が一枚も無いの!?」なんてことも多々あります。 ファイル 18-2.jpg  精密な車両ストラクチャを作る上で一番のネックはやはり台車まわりでしょう。横から見ての形状が複雑なので、1枚~数枚の透過テクスチャを用いて表現するのが一般的ですが、交換列車として自線の隣に配置してみると、ほぼ前方から、少しナナメ横から見おろすようなアングルになり、台車の厚みや丸みを表現していないと違和感を感じてしまいます。ですから台車を細かく立体化してみることにしました。手間がかかりすぎるので以前から避けてきた部分ですが、ようやく重い腰を上げての製作開始です。  正直なところ、手間と効果のバランス考えると「何が何でも立体化したい!」というわけでも無かったのですが、“丸みのあるモノを限られた頂点数で立体化する”練習をしなくては・・・と常々思っていましたので、ちょうど良い題材でもあったのです。 ファイル 18-3.jpg  例えば、車輪でも何でも構いませんが丸い物を表現する場合、比較的解像度の高い透過テクスチャを使用すれば滑らかな曲線の表現が可能ですが、厚みの表現ができません。また、環境によっては黒縁や透過不良といった問題も未解決です。これを頂点組みの立体オブジェクトに置き換えるわけですが、例えば円形を作る時に頂点数4、つまり四角形のオブジェクトでは当然ながら円には見えません。少し増やして6角形でも、まだまだ円とは程遠い。しかし8角形、10角形にもなれば(オブジェクトのサイズにもよりますが)だんだん円に見えてきます。20角形ともなれば、余程アップにして見ない限り完全な円に見えることでしょう。つまり3DCG上の円というのは頂点数の多い多角形ということになります。  とはいえ作る手間、動作時の負荷を考えると、どこまでも頂点数を増やして良いものではありませんから、如何に少ない頂点数で曲線・曲面に見せるか、というバランス取りが重要になります。  また、以前の記事でデッキガーダー橋の枕木部分について、立体化するよりもテクスチャに描き込んだ方がリアルに見える場合もあることを書きました。ですから製作時は「どこまでテクスチャで表現してどこから立体化するか、立体化する場合は曲面の分割数をどれくらいにするか」・・・、映像作品用の3DCGと違い、リアルタイムレンダリングによるゲーム用3DCGは、常にそういった妥協点の探り合いが必要になるわけです。 ファイル 18-4.jpg  作り方は簡単なオブジェクトと全く同様、地道に頂点を打ってはテクスチャを貼る・・・という作業が延々と続くだけですので、詳しい製作過程は割愛しますが、試行錯誤しながら3日間かけて台車の片面がやっとこさ完成しました。とりあえず“横から見ても前から見てもナナメから見ても立体に見える”という目標は達成したと思います。  しかし、妥協点、バランスの取り方を探るという点においては大失敗かな・・・。製作前は漠然と頂点数500くらいで台車ひとつ作れたら・・・なんて思っていたのですが、片面が完成した現時点での頂点数が553、これから反対側を作り、更に内側のブレーキ装置や車輪、車軸や歯車箱などを作り込んでいけば台車一つで1300~1500くらいの頂点数になってしまいそうです。ポリゴン数=面の数=AddFaceの数と解釈して間違いなければ、片面で230ポリゴンになるので、最終的には台車ひとつで500~600ポリゴンになるでしょう。この数字はオブジェクトひとつで数千~数万ポリゴンと言われる昨今の3D ゲーム情勢から考えれば屁でもない数ですが、BVEという枠の中で考えると、もう少し何とかならんかったのか・・・とも思います。 ファイル 18-5.jpg  動画のコメントなどで「作り込みが細かい」といったお褒めをいただいて悪い気はしませんし、細かく作り込むよう心がけている面もあります。ただ、その細かさが本当に必要な部分なのか、もしくはもっと簡略化しても同程度の見た目を維持できるのではないか?という疑念が常にあります。正直に言ってしまうと、私はそうした適度な省略や妥協といったものが極めて下手、というよりセンスが無いんだろうなぁ・・・と、これはBVEに限らず昔から痛感させられていることです。  省略するセンスがないからリアルに見せようと思うと時間をかけて作り込むしかないわけで、その重いデータを海外製ゲーム基準のPCスペックでぶん回しているだけ・・・、こうして書くと何とも芸のないことです。もちろん表面上の仕上がりについては自身で満足できるモノが出来るようになってきましたので、あまり自分で卑下するようなことも無いのですが、人それぞれ常に悩みながら作っているということです。 ファイル 18-6.jpg  実物のDT33は103系や119系をはじめ、兄貴分であるDT21ファミリーも含めると国鉄通勤・近郊型電車、気動車、果ては一部の私鉄でも採用され、全国どこへ行っても見ることができる(できた)標準的な台車です。子供の頃は優等列車至上主義でコイルバネの台車に興味は持てず、その次は懐古主義で旧国・旧客の大柄な台車に惹かれたため、これまで真面目に観察する機会も無かったのですが、なかなかどうして格好良い台車ではありませんか。斜め上から見おろした時に見える枕バネのふくよかな出っ張りなんてタマリマセンね。 ファイル 18-7.jpg  それなりのPCスペックでないと負荷がかかりすぎると思うので需要があるかはわかりませんが、完成したら台車単体で素材として配布する予定です。最初からひとつのパーツであることを意識して作りましたので、CreateMeshBuilderは一つだけ。Translate構文ひとつで全体が移動するので、車体に合わせて位置を調整するのが楽チンです。デメリットはパーツ単位で削除しての軽量化や改造ががほぼ不可能なこと。  他形式が欲しい方はご自身で作っていただくしかありませんが、データ内に実物のパーツ名を(正確じゃないかもしれませんが)コメントアウトで記入していますので、「この部分はどうやって作ってるんだろう?」といった感じで参考にしていただけると良いのではないかと思います。  テクスチャは各パーツの画像を集合体にしたものが1枚だけです。まだ空白部がありますが、車輪やブレーキ装置などの画像を放り込みます。上の119系に組み込んだ画像では、車体の明度と合わせるためにSetcolorで少し暗めにしていますが、元のテクスチャは応用が利くように明るく・彩度も高めに設定しています。載せる車体の色あいに合わせて調整して下さい。  データ配布時のガイドラインはまだ考えていませんが、こういうのが一番メンドクサイですね。飯田線のデータも一時的であれ永続的であれ、複数の方のデータをお借りして成り立っているからには、こちらもそれにお応えして「好きなように使って下さい」と言いたいところなんですが、昨今のBVE界を見ていると、時間をかけて作った愛着のあるデータを「どんな使い方をされても」黙っていられるほど私の心も広くないわけで、何らかの制限は必要だろうと思います。  個人々々で組み込んで遊んでいただく分には何の問題も無いわけですが、例えば自作の車体に組み込んでストラクチャを配布する場合などの二次配布の可否、条件とか、そのあたりが悩みどころです。

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