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119系前面立体化

 前面のジャンパ栓や配管を中心に精密化した119系ストラクチャですが、前回の記事中にも書きましたように、斜めから撮影した従来のテクスチャ画像では、ライト類や幌枠などの突起物が、見る角度によっては妙な見え方になってしまうため、今回はそのあたりを修正していきます。 ファイル 37-1.jpg  まず最初に、実車を真正面から撮影した画像を元に、前面テクスチャを作り直しました。「特定の角度から見た時だけベストに見えるモノ」から、「どの角度から見てもソレナリに見えるモノ」への変更で、進展なんだか後退なんだか・・・。おかげで角度を変えて見ても、明らかに違和感を感じるような箇所はありませんが、斜めから見た時のノッペリ感や、ライトの「余所見してる」ような感じは否めません。 ファイル 37-2.jpg  これ以上の立体感をテクスチャだけで得るのは不可能ですので、次はパーツを立体化していきます。とりあえずライトから手を付けましたが、いきなり頂点打ちを始めるのではなく、調整が簡単な"cylinder"構文を使って位置やサイズ、曲面分割数などを検討します。ライトは実物をよく見るとタダの円筒ではなく、テーパーがかかっていることが多く、多少のデフォルメを加えつつ、それらしく見える寸法を割り出します。 ファイル 37-3.jpg  程良いバランスが決まれば、次は地道に頂点打ちです。今回は『理想の角度から撮ったテクスチャ画像に劣らぬ立体ストラクチャ』とは、どの程度の精密さを要求されるのか? ということの研究を兼ね、円筒部の分割数は20角形と贅沢な仕様にしました。テールライトは16角でも良さそうだったのですが、構文を使い回すために、こちらも20角形で・・・。  ライトというモノは思いのほか複雑な形状をしており、ただの円筒にライトの絵を貼り付けただけでは、それらしく見えてくれません。透明レンズであるヘッドライトは、内部の反射鏡を意識した凹形状に、濃い色付きレンズであるテールライトは、レンズの凸形状をそのまま再現し、各方向から見ても違和感が出ないようにしています。 ファイル 37-4.jpg  最後にそれぞれテクスチャを貼って完成です。これで正面はもとより、右から見ても左から見ても違和感のない、立体的なライトを再現することができました。  ライト1個あたりの頂点数が120。これだけの手間とPCへの負荷かけてまで立体化する必要があるのかどうか、いっそ板ストラクチャで良いのではないか? 想定する画面解像度やPCスペック、車両の使用方法などをよく考えてから作業にかからないと、「たいして効果もないのに重いだけ」のデータに時間を費やすことになってしまいます。 ファイル 37-5.jpg  ライトの立体化だけではペッタンコ感が否めないので、幌枠、貫通路の渡り板、ステップを立体化しました。渡り板の固定が甘く、ちょっと斜めに倒れているのがツボです。ヒンジの部分はテクスチャだけでは立体的に見えませんでしたので、簡単に別パーツで立体化。  各パーツのテクスチャ作りは、簡単なように見えて意外と繊細で、立体化部分が浮いて見えないように微調整を繰り返しました。例えば幌枠の側面ですが、陰影はもとより、窓周りの黒や帯色が照り返してわずかに色を落としているところなど、単色で仕上げてしまっては違和感が出てしまいます。「別パーツなのに、パッと見では1枚の画像に見える」のが目標ですが、それがナカナカ難しい・・・。  大まかなパーツを全て立体化したことにより、どの角度から見ても自然に見えるようになりましたが、それでも手すり類の立体感や方向幕の奥行き感など、一定の角度から撮影した画像1枚よりも、表情に劣るところがチラホラあります。とはいえ、これ以上はキリがありませんので、全方位対応とのトレードと割り切るべきでしょう。まぁ、全体が完成してからポリゴン数に余裕があるようでしたら、手すり類も作ってみましょうか。 ファイル 37-6.jpg  幕とライトの画像を差し替えて、対向列車用のストラクチャも仕立ててみました。車体のテクスチャを、錆や汚れ具合の違うものをベースにすれば、より臨場感が出るでしょうか。  ヘッドライトは光線の表現ができない以上、このくらいで精一杯です。停車中に減光してるのってこんな感じかな? ちなみに、点灯時のヘッドライトは反射鏡がほとんど見えませんので、テールライトと同様、レンズの凸型形状に座標を打ち変えています。  長くなりましたが、これでようやく前面に関しては完成と言えそうです。次は途中放棄したままの右側床下機器と、パンタまわりの製作ですね。全く手を付けていないクハですが、こちらは前面ディテールなどはバッサリ省略して、後追いの視点で見える部分だけに注力しようかと思います。

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