Yポイント製作中
独特の電留線をご覧になれば、ピンと来る方もいらっしゃるでしょうか? 七久保からぐぐっと南下しまして伊那大島駅です。「いずれは飯田を起点にしたい」なんて言いながらも、七久保からの距離・駅数を考えると気が遠くなりそうで、くじけないために線路だけでも・・・と、とりあえずココまで引っ張りました。 前方の崖と、その上の料理屋でも作れば一目瞭然なんですが、そのあたりはマァ追々に。 以前から作業中の駒ヶ根駅構内の配線を再現するには両開き分岐器、いわゆるYポイントが必要なのですが、なかなか面倒で製作をズルズルと引き延ばしていました。しかし、伊那大島、そして次の上片桐の線形を整えていると、どうしても両開きが必要になり、重い腰を上げての製作開始です。 基本的には以前作った片開き8番と同じ造りですが、だんだん慣れてきたのか構文は微妙に洗練され、形状も少し凝っています。ウィング、ノーズといったクロッシング部は、レールを組立てた形態を意識して製作し、微妙な曲げや面取りも再現しました。 作り分けが解りやすいように"setcolor"で着色してみましたが、"CreateMeshBuilder"は2つだけ。つまり白いところ全部でひとくくり、茶色いところ全部でもうひとくくりです。 これはテクスチャ画像の重複読み込みを徹底して排除するため。テクスチャは同じファイル名であっても"LoadTexture"の回数分だけ読み込まれますから、各部レールをいくつもの"CreateMeshBuilder"で分割してしまうと、同じ画像を何度も読み込み、余分にメモリを消費することになります。 ひとつの面やオブジェクトに対してテクスチャ画像を作るのではなく、テクスチャ画像1枚に対して1つの"CreateMeshBuilder"を作る、常に逆順で考えるクセを付けておくと、見た目は複雑でも、効率の良いデータになるはずです。 ひとくくり中の頂点数が数百になると頭がこんがらがりそうですが、まぁ・・・ある程度は慣れます。 先日の119系などを自分で見返してみると、「アホなことやってるなぁ・・・」なんて思うこともありますが、あれくらいの作業量をこなしているうちに、空間把握力や効率の良い頂点の組み方などが自然と身に付いてきますから、全くの無駄にはなっていないと思います。 前作片開き同様、トングレール先端は厚みを持たせてペラペラ感を軽減させました。立体による造形はここまでで、これから先はテクスチャのお仕事になります。 余談ですが、飯田線内の分岐器の多くは合成樹脂製の枕木(レンガ色のやつです)に交換されていまして、木製枕木のテクスチャ素材を撮影できる機会が減ってきました。特に両開き分岐器ともなれば全体数も多くなく、撮影できる範囲では適当なものを見つけられませんでした。 代替として両開き分岐器の多い関西本線に何度か乗り、見晴らしの良いキハ120の前面窓から駅前後の分岐器を撮りまくりました。クロッシング部は全てマンガン鋼の鋳物が使われていましたが、欲しいのは枕木部だけですので、ちょっとした画像処理で使えそうです。 最後の写真はリアル伊那大島。313系の先頭助手席側から撮影しましたので、スクリーンショットとは微妙に角度が異なりますが、偶然にも件の分岐器をほぼ真正面から捉えています。 こうして見ると6:4くらいの振り分けにも見えますが、この写真からの判別は難しいですね。例えそうであっても、ストラクチャをそれぞれ作り分けるのは大変ですから、余程偏った振り分け率でない限りは、両開きとして扱ってしまいます。 スクリーンショットでは左手前方向に2本の側線がありますが、現在では撤去されています。かつて左側には上屋付きの貨物ホームがありましたが、櫛形ホームの間は砂利で埋められ、上屋も解体撤去されています。 しかしこの貨物ホームに入るにはジグザグにポイントを渡らなければならず(119系の停車している線はこの先すぐで行き止まり)、地形の制約がある中、無理矢理作った感じです。鉄道が物資輸送を担っていた時代は、街の生活のためにそこまでしたのですね。