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2010年の記事は以下のとおりです。

電線

ファイル 5-1.jpg  入院中の方が更新頻度が高いWEBページというのはいかがなものか・・・、検査などの無い日は結構暇なのですよ。  とはいえ新規延長部の製作はまだ手を付けていませんので、代わり映えのしないスクリーンショットでスミマセン。もはや間違い探しゲームの様相を呈していますが、今回いじったのは、電線類の仕様変更・追加です。  以前から架線の他に“き電線”や通信線を張っていましたが、配置を簡略化するため架線柱と一体化させていました(動画その1参照)。しかし、架線柱の種類が多くなりすぎるため、オブジェクトの管理はもとよりディテールアップや仕様変更の作業量が膨大になり、これではイカンとBVE5への対応に備え根本的に見直しました。  BVE4の仕様上25m/50mきざみなのはそのままですが、今回から電線のオブジェクトは架線柱と別体とし、rail扱いにしました。架線柱のストラクチャ数を1/3程度まで減らせたのも収穫ですが、なにより電線の位置や高さ、本数を自在に調節できるようになったのが大きいですね。  ああいった電線類は一定の位置に張られているわけでは無く、ホームや踏切などでは接触を避けるため高い位置に張られていますし、複線以上の架線柱になると張り方も様々に変化します。本数も必要に応じて変化し、信号機や踏切などの施設が増える駅付近になると電線だらけになりますね。架線柱側の仕様変更(碍子位置の調整、ディテールアップ)は極一部しかできていませんので全線の置き換えはもう少しかかりますが、試験的に七久保構内の電線類をいくつか配置したところ、なかなか実感的で良い感じです。  決して綺麗では無い、むしろ写真を撮るときにいつも邪魔してくれる鬱陶しい電線ですが、このゴチャゴチャ感こそ日本の鉄道の風景ではないでしょうか。常に車窓から見えているものだけあって、有ると無いとでは印象がずいぶん変わるものです。まだパーツ点数が少ないのでバリエーションに乏しいのですが、合間を見て豊かな電線風景?を再現できるよう、これから更に作り込んでいきます。

踏切を新規製作しました

 唐突ですが、入院中でございます。入院というとネガティブなイメージではありますが、病室の窓からは大阪モノレールが見えて楽しく、また美人女医に囲まれた生活はナカナカのもの。空いた時間は持ち込んだノートパソコンでストラクチャデータの製作を進めています。 ファイル 4-1.jpg  さて、そんな環境で表題の通り、踏切のストラクチャを新規に製作しました。従来の踏切ストラクチャは、路線の元作者であるgaku氏が製作されたモノに少し手を加えさせていただいたものです(前回のセメント工場の画像を原寸表示していただくとよく見えると思います)。以前はこのくらいの作り込みで十分かと思われたのですが、リアル化した線路周りのクオリティにレベルを合わせる必要が出てきましたので、路線データ公開に向けたストラクチャの自作・置換の一環として新規に作り直しました。  主な課題はテクスチャの高解像度・写実化、そして座標によるできる限りの立体化です。動画内で路線の完成は早くて4年後・・・といったことを言いましたが、理想としてはその段階でも見劣りしないクオリティを現段階で作ってしまいたいと思っています。PCへの負荷についても、4年後の平均的スペックといえば現在のハイスペックゲームマシンくらいはあるでしょうし、BVE4には過負荷なストラクチャでもBVE5ならスムーズに描画してくれるのはコンバートしたタキを大量に並べて検証済みです。  ディスプレイのサイズ・解像度も24インチ、フルHD以上が普通の時代が遠からず来るでしょうから、その環境でプレイしても満足できるクオリティ・・・となるとそれなりのものが要求されるわけです。できることなら現在市販されている海外製3Dゲームくらいの品質に到達したいものですが、さすがに製作にかかる時間や技術、またBVE本体の描画エンジンの限界でソレは無理。ですが、そのくらいの「心意気」で製作に挑んでいます。 ファイル 4-2.jpg  なぜこのような前置きをしたかと言いますと、できあがったデータが巨大だからです。退院してから自宅PCで試さないとわかりませんが、たぶんBVE4なら視界に現れる瞬間にカクつくレベルじゃないだろうかと・・・。  ちなみに頂点数1238、CSVファイルの行数3246行、ファイル容量97.5KBです。いちばん容量を食っているのはやはり“丸いパーツ”。たとえば遮断機ポールの曲面分割数が10、警報器支柱は12、ランプのヒサシが15分割。自然なRに見せようと思うと、これくらいは必要になります。いよいよ CSVの限界かなぁ・・・3DCGソフトを勉強してX形式で作らないと、クオリティを維持するのはこの先しんどいかもしれません。 ファイル 4-3.jpg  テクスチャの面でも効率化とクオリティアップのためにいくつか工夫を凝らしています。データ製作に不慣れな頃は面ごとにテクスチャを用意して、一つのデータに対して膨大な枚数のテクスチャが発生していましたが、最近はできるだけ少なく纏めるよう心がけています。ひとつのパーツ群としてまとまったもの(例えば看板類を含めた警報器一式など)は、他ファイルへ流用したりTranslateで移動させることを念頭に、できるだけ一つの CreateMeshBuilderで完結させ、必要なテクスチャもひとまとめにします。ただし、遮断機など部分的に他のストラクチャへ流用する可能性があるものは独立したCreateMeshBuilder、テクスチャに分けることもあります。  今回の例では、路面部分で1枚、遮断機の機械部分で1枚、警報器支柱一式で1枚、汎用性の高い遮断機ポール1枚と、透過テクスチャ使用のため高解像度に分けた警報器の赤ランプの1枚、以上で5枚になりました。最初から計画を立てて、もう少し効率よく使えば1~2枚減らすことができますが、アレコレ考えながら作っていると収まらなくなって増えてしまうことも多々あります。  テクスチャ画像はほぼ写真ベースですが、テクスチャ同士の繋ぎになる部分などは後から描いているところもあります。また、BVEの動画エンジンでは影の自動生成がされませんので、意図してテクスチャにハイライトや影を描き込んでいます。方向的に日陰になる部分だけではなく、看板やステーなどの部品による互いの影も位置を微調整しながら描き込んでやると、かなりリアルな見た目になります。 ファイル 4-4.jpg  最後に路線データに配置してみて、周囲との色合いを馴染ませて完成です。病室に持ち込んだノートパソコンの液晶画面があまり発色の良くないものなので微調整は自宅に戻ってからになりますが、だいたいこんなもんじゃないでしょうか?  安全柵というか鉄製のフェンスがここには写っていませんが、踏切と道路の接続部を数パターン作る予定ですので、それらに角度や形を変えて作り込んで行くことにします。  話は少し変わりますが、安っぽい「CG臭さ」というのは、スパッと直線で仕切られたときに強く現れると考えています。前回の更新で線路際の雑草を生やしたのも、線路と周囲の風景が一直線に分けられて不自然だったからです。  今回の踏切では、路面のもっこりした凹凸感をテクスチャで、遮断器ポールの自重による垂れ下がりを座標で表現してみました。こうした「微妙に曲がったもの」があるだけで、とても自然な景色を作り出せます。もちろんその分座標が増えて動作が重くなりますが、BVE5の時代には問題なく動くようになっていることでしょう。本音を言えば保線状態の悪い、微妙にグニャグニャしたレールなんてのも再現したいものですが、アレをパソコンで再現できる時代はいつ頃来るでしょうか。

改装、改装、また改装。

 前回の動画から既に2ヶ月、実はまだ小町屋周辺の風景には手を付けていません。・・・ならば今まで何をしていたのかをこちらでご報告。今回は大きな画面でご覧の方にディテールが伝わるよう、いつもより大きいサイズ(1600x1000)のスクリーンショットを掲載しました。小さい画面でご覧の方は、ブラウザが縮小表示してくれるかな? ファイル 3-1.jpg  まずは線路周りの基本的な部分を総合的に見直しました。前回の動画でも少しお話ししましたが、線路図によって得られた正確な線形情報に加え、取材にて判明したキロポスト、風景との位置関係をできるだけ再現。現状ではBVEのレールが25mきざみですので~12.5mの誤差は発生しますが、まず問題のないレベルでしょう。 次に、画面上では勾配の感覚が掴みにくいうえBVE4では補助的な表示機能もありませんので、勾配標に実際の数値を入れるようにしました。延伸予定区間に必要な分も含め、作った勾配標は実に81種類。  それから以前より気になっていた線路・築堤のオブジェクトを総入替しました。従来のモノはOpenBVEで全方向から見ることも考慮し、「どの角度から見ても破綻しないが、どの角度から見てもそれなり」という作りでした。しかし、あくまで運転がメインのBVEですから、運転台から見た状態で一番それらしく見える方が良いかと割り切りました。おかげで枕木やバラストの立体感は以前の比ではありません。また従来は枕木とバラストをクッキリ色分けして「線路らしさ」を重視した表現にしていましたが、今回はリアルかつより自然に見えるように、また周囲の景色とシームレスに融合するよう心がけて調整しました。  築堤の改良にあわせて、線路際の雑草も作り込みました。標識が草に埋もれて見えにくくなってるのが良い感じです。まだバリエーションも少なくいささか単調ですが今は仮置き、こうしうた「繰り返しオブジェクト」の類はBVE5対応時に本気出します。 ファイル 3-2.jpg  これも動画内で触れましたが、一部建築物のテクスチャを実写化しています。撮り貯めた実物の写真からテクスチャを起こしていますが、さすがにリアル、かつ作るのが楽です。これまでのようにCGで一から描き起こそうすると、影や汚れの質感表現に時間を取られるのです。  とはいえ実写には実写の苦労もあります。影の方向がBVE内とは違ってそのまま使えなかったり、手前に写り込んだ障害物を消す作業が必要だったり、曇天時や夕方に撮った写真は色合いの調整が難しい・・・などなど。  テクスチャ解像度は高めに設定していますが、本家BVEでは全てのテクスチャをメモリ上に読み込んでいるのか、全体の容量が大きすぎると動かなくなります。対してOpenBVEでは描画中のテクスチャのみ随時読み込んでいるようで、メガ単位のテクスチャをバンバン使っても平気で描画してくれます。  ちなみにこの伊那福岡のセメント工場、周辺の道路や住宅、踏切や場内信号機との位置関係は少し間違いがあるので後日修正予定。今はツッコミ不可でお願いします。 ファイル 3-3.jpg  BVEの飯田線といえば七久保駅が起点というイメージですので自ずと力が入るところですが、まだ途中ではあるものの七久保らしさがかなり出てきました。下のスクリーンショット集にある初期のものと比較してみると、各種建物や旧貨物ホームのリアル化(分岐器周辺の建築限界によるエグリも再現)、作業側線の線形見直し、沿線電話機・入換信号機・インピーダンスボンド(少し大きすぎたかも)・列停標識の配置などなど・・・。標識類があれば雰囲気ぐんと良くなりますので、全線にわたってもっと色々配置していこうと思います。他の作者様のデータを運転しているといつも思うのですが、グリーンマットの路線データでも、そのあたりの再現度が高いと飽きずに運転できますし、なによりも説得力がありますね。  ◆2010/2/22追記 L型停目のポール・ホーム端の柵の作り直し、一部架線柱の精密化が進みましたので、画像を入れ替えました。下に書いた複線間隔の修正と、それに伴う調整が終わればほぼ完成かな。 ファイル 3-4.jpg  線路のオブジェクトはカーブレール含め置き換えましたが、ポイントだけは従来のまま放置していたので根本から作り直しています。これまでのモノはカーブレールの流用で作ったデータでしたが、、分岐側のフログから先も曲線を描いたため不自然なSカーブができてしまうのが不満でした。線路の総入換を良い機会として、真面目に8番ポイントを作ってみることにしました。  CADソフトは持っていませんので、Adobe Illustratorで図を描いていきますが、描画範囲の限界で実寸では収まりませんでしたので、1/10スケールで描いています(右の画像参照)。  まずは基準となる25m直線を引き、右隣に他線を引きます。現状のデータでは複線間隔が5mに設定されていましたが、広すぎるように感じるので標準的な3.8mに修正し、また両線の中間にガイドラインを一本引きます。  次に分岐側のフログから先の直線部分を引きますが、8番ポイントは8m進んだ時に1m横に分岐するので、計算すると分岐角は7.15度。複製した自線を 7.15度回転させ、先端を中央のガイドラインに合わせて配置します。そして自線と交差するところがフログになりますので、そこから手前は削除。  最後に自線とフログまでを適度な曲線(きつすぎても緩すぎてもラインが破綻するので試行錯誤)で結べば大まかなラインはできあがり。これが厳密にリアルなのかどうかはわかりませんが、とりあえず誰が見てもリアルに“見える”ポイントは出来ると思います。  今はガードレールなどの位置調整をしているところで、次にトングを開通方向毎に料理してやれば完成です。Illustratorはカーソルの座標を数値で表示してくれるので、これを元にCSVを手入力していくことになります。曲線部分は全体の2/3程度ですので、10分割もすれば完全な曲線に見えるでしょう。  問題はテクスチャかな・・・。これも実物写真をベースに作ることになりますが、各レールとの位置合わせが難しいうえ、影や凹凸の方向は固定されているため前・後・左・右それぞれにテクスチャを用意しなくてはいけません。先は長い・・・。

119系 車内オブジェクト

ファイル 2-1.jpg  公開直後は荒れ気味だった前回の動画も日を追う毎に落ち着き、建設的なコメントが増えて嬉しい限りです。さて、反響の多かった車内オブジェクトですが「どうやって作るの?」といったコメントもいくつかありましたので、少しばかり解説を・・・といきたいところですが、「何でもかんでも気合いで立体化する」としか言えないので・・・頑張ってください?  BVEのみならずMSTSなんかもですが、CGゲーム化された列車内の安っぽさというか嘘っぽさというか、アレは「厚みの無さ」に起因することがほとんど。例えば壁面に装着された上着や帽子をかけるフック。何もなければあまりに寂しい→とはいえ壁面のテクスチャに書き込むだけでは嘘が過ぎ・・・→なら透過テクスチャを使った板オブジェクトで再現したら・・・なんか見る角度によってペラペラ感が・・・→やっぱり行き着くところは立体化です。  しかし模型でもCGでも同じことですが、自分で作ってみると色々なことに気付かされて面白いのです。「ここのラインとここのラインは並行で、こっちのラインの延長上と直角になるのかぁ~」てな具合に、国鉄時代のの量産車であっても意図してデザインされているのが読み取れます。ちょっとでもそれが狂うとカッコワルイのなんのって、侮り難し昭和の工業デザイン!  データ製作にあたって「抜ける手」はとことん抜いています。窓や座席など同じ形のモノが複数個必要なオブジェクトは、1つ作ってrotateや translateで移動させたり、ミラー反転させたりしました。構文を見ると結構“やっつけ仕事”でゴリ押ししている箇所もありますが、Openbve でしか使えない車内オブジェクトはあくまで「オマケ」のお遊びですので、あまり時間もかけてられません。  また、20mの車内すべてを再現しているわけではなく、動画で見えていた範囲しか作っていません。「乗客となって車窓をボ~ッと眺める」だけが目的のデータですので、外板も貼っていませんし、各部の寸法も実は適当です。  そもそも、既に車内のCSVデータ量が400KBを超えているので、このまま1両作れば1MBを軽く超えることになり、現状でもフレームレートの落ち込みに限界を感じているくらいなのに動かなくなってしまいそうです。テクスチャはPNGですが解像度が高いため合計20MBを超えており、仮に配布するにもひと苦労・・・といったところですね。  そうそう、その配布。動画のコメントでも車内データが欲しい、というのをいくつかいただきました。暴走動画に使うとかじゃなければ好きなように使ってもらって構いませんし、昭和の国鉄車両を再現するなら流用できるパーツが色々あるとは思いますが、中途半端な状態では出したくありませんので、扇風機のディテールをはじめ作り残しているところが完成してからにさせていただきます。更新の都度バージョンアップ版を配布するといった手間をかける余裕もありませんので、何卒ご容赦を!  実はこの冬の「青春18きっぷ」でまた2回飯田線を訪問しました。その時に車内の細部もあらためて200枚ほど撮影しましたので、もっとリアルに再現できる予定です。  動画の方では画質に限界もありますので、こちらも高解像度のスクリーンショットを並べておきます。また、ワイヤフレーム表示にしたものも後半に掲載しましたので、作り方の参考にどうぞ。 ファイル 2-2.jpgファイル 2-3.jpgファイル 2-4.jpg ファイル 2-5.jpgファイル 2-6.jpgファイル 2-7.jpg ファイル 2-8.jpg  ファイル 2-9.jpg (一部画像で乗務員室仕切りなど透過されないはずの場所が透過されていますが、ObjectViewerの誤描画です)

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