駒ヶ根駅ディテーリング
構内の配置が落ち着いたので、駒ヶ根駅ホーム周辺の作り込みを進めています。既に完成していたホームの造形やテクスチャも数カ所変更し、満足できる再現度になりました。 駅名標は国鉄スタイルの簡素なタイプを建てていますが、これは個人的な好みによるもの。実際はJR化後の早いうちに現在の東海スタイルに置き換えられています。(データのリリースにあたって、万が一JR東海と揉めた場合、国鉄飯田線として修正するのも楽・・・という利点もあります) 立体化したところと平面のままのところ、それぞれが分かりやすい角度で画像を撮ってみました。自販機、ベンチ、ゴミ箱、また屋根から吊ってある蛍光灯、停目(裏・表)、出発反応標識、移動禁止合図器などが立体物になっています。 テクスチャワークが主体で、補助的に立体化する程度のローポリゴンCGでは、立体物を背景のテクスチャに馴染ませることが肝要。作り手としては、時間をかけて立体化したオブジェクトほど目立たせたくなるものですが、そこは理性をフル動員して極力目立たないよう調整します。「目立つ」ということは、周囲と比較して浮いている、あるいは沈んでいるわけですから、イコール調整し切れていない・・・ということになりますね。 走行中の運転台から見ると、前後するオブジェクトの座標が、前進に伴って微妙にズレることによる、ホンのわずかな自己主張から、「ん?今何かあったっけ?」という程度。そのくらいがちょうど良いのです。 2灯の四角い箱が移動禁止合図器。分割併合の作業時にホーム上での操作により赤・白の標識灯が点灯し、作業の安全を図るもの。作業時以外は2灯とも消灯していますので、形だけの再現です。 改札口は今のところ駅舎壁面と一体のテクスチャだけですが、運転台から見ると意外と気にならないものです。ただ、周囲の作り込みとのバランスが悪いかな・・・ということで、ラッチ(駅員の入るハコ)と奥の壁面だけでも別途立体化を検討中。ただし使えそうなラッチ外の写真が見当たらなかったので、改良作業は次回の取材以降になりそうです。 ホーム先端が曲線を描いているのは他の駅と同様、分岐器による建築限界の膨らみに対応させるためで、これも再現出来ていなかったため修正しました。当初は前方の一段低くなった旧貨物ホームで、車体裾を逃がしているのかな? と判断していたのですが、湾曲するホームの写真が出てきたのでやり直しです。 曲がったものは曲者(くせもの)です。鋼管を曲げて溶接したホーム端の転落防止柵は、縦棒・横棒が連続して一体となっているため、伊那大島駅のホーム柵などで解説した、「柵・手すり類の支柱面を視点に対向するように打ち、比較的楽に立体感を得る」という手法が使えません。 場合によっては、実物同様に円柱を曲げて立体的に作った方が「手間はかかるが難しく考えなくて良い」ということもあり、今回は8角断面の柱を用いて作りました。ホーム下の太い柵についても、視点との高低差があることと、少しナナメに配置されていることから平板では少し違和感がり、同様にフル立体化しています。陰影はディテクショナルライトが勝手に付けてくれますが、それだけでは立体感に乏しいので、テクスチャ上でも補助的に影を描き込んでいます。 現在では大きく姿を変えている上りホームは、資料が乏しく難航しているものの、なんとかそれらしい雰囲気になってきました。古い写真を見ていると、ホーム飯田寄りに水飲台のようなもの(蒸気機関車は走ったことがないので洗面台では無いと思われる)、また辰野寄りの花壇の中には、観光客向けの歓迎看板(オブジェ)のようなものが見られるのですが、ディテールは読み取れず。いずれも既に撤去されているため再現できていません。 旅客ホーム周辺はかなり充実してきましたので、次は電留線周辺の作り込みに移ります。上りホームの向こう側ということもあって、さほど作り込む必要は無いと思いますが、架線周りで苦労しそうな予感がヒシヒシとしています。いよいよ25m、50m以外の架線も用意する必要が出てきましたので、重い腰を上げて単純作業に精を出さなくてはなりません。