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飯島駅周辺の精密化作業

 やはりクオリティというのは、全体を通して安定していないと落ち着かないもので、力を入れた七久保を先に見てしまうと、次々駅の飯島が簡素に見えてしまうという、恐怖のループに陥っています。  飯島駅はこのあたりの地方行政を司る飯島町(いいじままち)の中心部にあり、商業的にも七久保よりは栄えています。そういった背景があることや、馬刺しが美味かったなぁ・・・と愛着も出てきたところで、駅周辺のグレードアップを図りました。 ■飯島公民館 ファイル 30-1.jpg  まずは駅の右側(東側)に見える飯島公民館を製作。以前は大型倉庫のような汎用ストラクチャを置いて誤魔化していましたが、非常に特徴のある建物ですから、ちゃんと再現できていないことが引っかかっていたものです。  地方の公民館にしては分不相応なほど立派な施設ですが、何層にも重ねられた屋根を破綻無く纏め上げた秀逸なデザインで、どなたが設計されたのか興味が湧きます。右手の屋外階段だけはもう少し何とかならなかったのか?とも思いますが、法令の問題でしょうか。  線路際すぐではなく、少し奥まったところに建っていますので、建物の規模の割にはテクスチャサイズは控えめ、頂点数も汎用住宅に比べると大人しい作りになっています。ですので、実際の製作作業は比較的短時間で終わったのですが、壁と屋根、相互の位置関係を写真から読み取るのに時間がかかりました。 ファイル 30-2.jpg  実際に配置してみると、この程度の解像度ではかなり小さくなってしまいますね。運転台から見ると、線路際の樹木や小屋の間から、見えたり見えなかったりといった具合で、チラチラもどかしく見えてくれます。静止画だと1枚で全体を把握できる絵が作りにくいので、少し右手に振ってスクリーンショットを撮っています。  この画像ではわかりにくいですが、公民館のストラクチャがちゃんとしたことで、中央の倉庫(現在は何かの工場?)との高低差を含めた位置関係、手前の駐車場も再現することができ、現地をご存じの方でも違和感のない仕上がりになっていると思います。 ■JA上伊那飯島 ファイル 30-3.jpg  地方の中核駅の前には必ずと言って良いほど存在するのが農協。飯島駅前にも二棟の農協関連施設が建っています。画像は飯島駅の辰野側、旧貨物ホームから西側を見たところです。  左手奥のレンガ色の建物は、農協のスーパーであるA・コープ、中央奥に見えるのは旧館の転用でしょうか、JAバンクとなっています。まずA・コープの方は、駅舎や信通機器室に隠れてチラチラとしか見えませんので、板オブジェクトに毛の生えた程度の立体造形で済ませました。むしろメインは屋上の広告塔で、こういうオブジェクトの存在が生活感というか、独特のリアリティを演出してくれます。 ファイル 30-4.jpg  JAバンクの方は典型的な戦後の公共建築。手すりや欄干を設けたバルコニー(なんて洒落た言い方は似合いませんね)をぐるりと巻いたコンクリート建築は、役所をはじめとした公共施設や、鉄道の詰所など、全国何処へ行っても嫌と言うほど見られましたが、このところ急激に数を減らしているように思います。  こちらは運転台から見てもA・コープより見える時間が長く、また板ストラクチャでは手すり部分を自然に再現することが出来ませんでしたので、簡単にではありますが立体化率が高くなっています。  透過テクスチャを併用すれば楽なのですが、IM0.5版では多くのビデオカードにて縁の処理に不具合があります。これが解決するまでは透過テクスチャを極力使わない方向で行きたいと思います。 ■ホームをグニャグニャさせてみる  二つ前の画像でお気付きの方がいらっしゃるかもしれませんが、旧貨物ホーム、およびそれに付属するストラクチャも新規に作り直しました。ホーム高さは旅客ホームと同一ですが、電機機関車の乗降に合わせてか、前方部が一段高くなっているのが特徴です。  この部分の再リニューアルでは、テクスチャ品質の向上と小物類の設置を行いましたが、もうひとつ実験的に、ホームの寸法狂いを再現してみました。 ファイル 30-5.jpg  近代的なコンクリートや鉄骨で組まれたプラットホームは、まるでCGのように一直線に見える物も少なくありませんが、古い石積みのホームを実際に見てみると、思った以上にグニャグニャ曲がっているのです。  データ上での狂いは、長さ5mあたりの高さ誤差が3~5cmといったところで、注意して見ないと、または左の画像のように、視点を近付けなくては分からない程度です。しかし、この「分かるような、分からないような」が重要で、パッと見でグニャグニャしているようではやり過ぎ、わざとらしくて不自然になります。  以前からホームを作る時にテクスチャやら小物やら、色々工夫をしてみるものの、何かリアリティが足りない・・・と悩んでいたのですが、どうやらスパーンと一直線に見えるオブジェクトが原因だったようです。以前から「手すりや柵はグニャグニャ曲げた方が・・・」と自分で繰り返し書いておきながら、それをホームにも適用するように思いつかなかったのは、チョット呆れますね。  まぁ気を取り直して、今後製作するホームは可能な限り、グニャグニャさせて行こうと思います。ただし頂点数が25mのオブジェクトなら約5倍、私の場合はホームの端から端まで一つのオブジェクトで作りますので、4両用ホームでは約15倍になってしまい、万人にオススメできる技法ではありませんね。  最初から重量級路線として割り切り、ロースペックPCユーザーを切り捨ててしまえるのであれば、こうした作り込みもアリだと思います。 ■地元の方、いらっしゃいます?  JAバンクの更に先、現在は八十二銀行が建っているところですが、再開発前の景色をご存じの方、写真をお持ちの方、いらっしゃいませんでしょうか? 飯島図書館で郷土史を読んだり、周囲で少し聞き込みをしてみたのですが、これと言った資料が得られませんでした。  現在の限られた資料から判断するに、現八十二銀行とよく似た、切妻二階建て・平入りの蔵っぽい造りの建物があったように思えるのですが、もし詳しい資料・証言がございましたらコメント、メールでご提供下さいませ。  特にお礼はできませんが・・・、配布の際にはよりリアルなデータをお渡しできる、ということでお願いします。

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